「四天王」不在の大鐘賞、日本人ファンのお目当ては?


 21日、第43回大鐘賞映画祭授賞式が行われたソウル三成洞COEXコンベンションホール。お目当てのスターを一目見ようと、授賞式開始数時間前から、レッドカーペット前では激しい陣取り合戦が繰り広げられていた。レッドカーペット周辺には、日本や中国圏からの取材陣の姿もちらほらと見られたが、圧倒的多数を占めたのはやはり日本から来たファンたちの姿だった。

 ペ・ヨンジュン、イ・ビョンホン、ウォンビン、ソン・スンホンらいわゆる「韓流四天王」はもちろん、大人気のクォン・サンウも参加しないと言われていた第43回大鐘賞授賞式。となると今回授賞式に集まった日本人ファンたちのお目当てはいったいどの俳優だったのだろうか。

 「イ・ジョンジェが好き」という主婦の三島さん姉妹は、この日福岡からやって来た。「チャン・ドンゴンを見たくて映画『タイフーン』を見たところ、ライバル役のイ・ジョンジェのたくましさに惚れちゃいました」という三島さん姉妹。二人は大の韓国映画ファンで、昨年の大鐘賞授賞式にも来ていたそうだ。そんな二人の一日は、朝鮮日報のエンタメコーナーのチェックから始まるとのこと。

 イ・ジョンジェは、この日正装とカジュアルを混ぜ合わせた一風変わった装いでレッドカーペットに登場し、三島さん姉妹の前を通り過ぎた。二人は興奮と同時に、イ・ジョンジェの少し不思議なファッションにあっけに取られた様子だったが、「あれぐらいの服装でないと(同じく主演男優賞にノミネートされている)チャン・ドンゴンさんには勝てませんから」とそこはしっかり擁護。

 二人は映画『タイフーン』を見た感想について、「南北問題を背景としたチャン・ドンゴンとイ・ジョンジェの葛藤については、正直なところ共感できるところが少なく、映画全体のストーリーも今ひとつだった。ただ主役二人の間に芽生えた友情やチャン・ドンゴンとその姉役を演じたイ・ミヨンとの20数年ぶりの再会など、人間関係の部分では深い感動を覚えた」と話した。




 同じく映画『タイフーン』が好きという福岡から来た古賀さんは、特にイ・ミヨンの演技がよかったという。「イ・ビョンホン主演の映画『恋愛中毒』を見た時からイ・ミヨンに注目していた。今回イ・ミヨンは『恋愛中毒』とはまったく違ったイメージで『タイフーン』に登場し、哀切感ただよう姿が非常に魅力的だった」と話した。

 韓国映画が好きで韓国に留学に来たというある日本人留学生は、映画『死生決断』で主役を演じたリュ・スンボムがお気に入り。映画試写会での舞台挨拶などを含め、これまでに10回近くはリュ・スンボムの姿を見たという。

 一方、お目当てのスターが参加しないことをある程度予想しながらも、「ひょっとしたら」という思いから今回の授賞式を見に来た日本人ファンも少なくなかった。名古屋から来たAさんはカン・ドンウォンの大ファン。「もしかしたらプレゼンターとして参加するかもしれない」と思い、10数万円かけて大鐘賞授賞式ツアーに参加したという。一縷(いちる)の望みをかけ、同じく東京から大鐘賞授賞式ツアーに参加したペ・ヨンジュンファンのBさん。現在ペ・ヨンジュンがCM撮影のため訪日中であることを告げると、Bさんは一瞬言葉を失った。

 お目当てのスターに会えた人と会えなかった人。この日一番人気だったイ・ジュンギの人気ぶりにさっぱり理解できないと首をかしげる人。誰か分からずとりあえず写真を撮ってはみたものの、一体誰なのか最後まで分からない人。この日初めて会ったファン同士で意気投合した人。「韓流四天王」不在の大鐘賞映画祭授賞式ではあったものの、レッドカーペット前は今年も熱かった。

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