【インタビュー】『アパート』で映画復帰した女優コ・ソヨン


 女優コ・ソヨンに対する世間の思い込み。第1に「流行に敏感」。第2に「傲慢で冷たい」。第3に「財閥の息子と結婚しそう」。

 彼女は「井の中の蛙なので本当に流行を知らない」「傲慢に‘見えるのは’認めるけど、斜(はす)に構えるのは大嫌い」と話す。そして第3の思い込みについては「無理。平凡で私だけ見てくれる家庭的な男性が好き」と答えた。

 2002年、映画『二重スパイ』以来、活動していなかったが、このほど突然、ホラー映画『アパート』(7月6日公開)で主演するコ・ソヨンに26日、ソウル清潭洞のカフェでインタビューした。

 「ジャンルがはっきりした作品に出たかった」という彼女は、インターネット漫画家カンプル原作の『アパート』で謎の連続殺人事件を解き明かすディスプレーヤー・セジン役を演じた。狐のようなコ・ソヨンのイメージやポスターからは「絶対、幽霊の役だろう」と思ったら大間違い。セジンは普通の平凡なアパート(日本でいうマンション)の住民だ。幽霊役だと思っていたらそうじゃなかったように、コ・ソヨンとのインタビューは「~だと思っていたら実は違っていた」という驚きの連続だった。

 「実際の自分は純愛物よりもロマンチックコメディーのキャラクターに近い」という彼女。夜も寝ないでワールドカップサッカーを見て韓国代表を応援したそうだ。友達と家に集まり、頭に韓国の応援団「レッドデビルズ(赤い悪魔)」の角をつけ、飛び跳ねながら「がんばれ~!」と叫んだ。「でもスイス戦は午前2時まで待ったのに、そのあと寝てしまって見られなかったんです。多分、私が応援できなかったから負けたんでしょう。ふぅ」。彼女はトーゴ戦(2-1)、フランス戦(1-1)の試合結果を両方ともピタリと当てた、と自慢した。利己的で、寂しがり屋で、弱い自分を守ろうと刺を向けるバラのように頑固に見えるが、実は一度も金縛りに遭ったことがないほど、たくましい人なのだ。

 「誰かが悩んでいる時も、一緒に悲しむというより“大丈夫~。きっと何とかなるわ~”と流行した歌を歌いながらムードを盛り上げるタイプ。悩んでいるのはあまり好きじゃないから」。

 愛嬌があって、悲くても落ち込まず、後悔しないのが彼女のライフスタイル。「死」についても深刻に考えたことがない楽天的なタイプだ。4年間、何もせずにただ遊んでいたというが、焦りはなかった。会いたい人にだけ会い、気楽なところだけ行き、いつも同じヘアスタイルにこだわるのは「できることだけする」という考えをきわめたいからだ。

 「インターネットはほとんどしません。ニュースはまだ紙の新聞で読んでいます。デジタルカメラよりもたった一枚しか存在しないポラロイドカメラのほうが好き」。新しいものに追いつこうとあくせくしない余裕。「井の中の蛙」という皮肉も気にしない自信。それがコ・ソヨンの魅力だ。

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