機内食をなくした低価格航空会社が増えている。反面、より高級化した機内食を提供、より多くの顧客を集めようとする動きも目立つ。大韓航空やアシアナ航空のほか、外国の航空会社10社の機内食の一例を紹介する。
<大韓航空>
ピビンククス(コチュジャンを使った素麺)で今年のマーキュリー(Mercury)賞を受賞した。この賞は「機内食のオスカー賞」というのが大韓航空側の説明。1998年のビビンバに続き、2度目の受賞だ。ピビンククスで最も難しかった点は「どうすれば麺が伸びないか」ということ。ゆであがった麺は最長25時間が経過した後で乗客に提供されるからだ。ゆでたてそのままの状態を維持するため、9段階の特殊熟成技術を開発した。試食してみると、硬さはちょうど良いものの、シコシコした麺特有の歯ざわりはなくなっているよう…。写真はファーストクラスの機内食。
<シンガポール航空>
シンガポール航空の機内食諮問団のメンバーは華やかだ。レストランガイドのミシュランから英国、フランス、中国の三ツ星レストランのコックなど凄腕9人で構成されている。ファーストクラスとビジネスクラスではペラナカン料理というシンガポールのローカルフードも味わうことができる。辛くて甘いスパイシーな東南アジア料理と中華料理を合体させたフュージョン料理だ。搭乗24時間前に予め注文しなければならない。仁川から出発する一部の路線にはコチュジャン、海苔、キムチもサービスされる。写真はエコノミークラスの機内食。
<キャセイパシフィック航空>
香港の最高級レストランの料理100種を香港から出発する航空便のすべてのクラスで味わうことができる。世界各国のグルメが集まる香港の有名レストランの料理が12月31日まで提供される。写真は香港グランドハイヤットホテル「ワン・ハーバー・ロード」レストランの「豚のカボチャ蒸し」。
<ルフトハンザ航空>
ドイツビールを好きなだけ飲むことができるのが大きな特徴。ドイツワールドカップ開催を記念し、ワールドカップの期間中はサッカーボールの形をしたチョコレートなど、特別なデザートがファーストクラスとビジネスクラスの乗客に提供される。この時期はドイツサッカー代表チームの公式コックが作った機内食が食べられる。
<エミレーツ航空>
長距離国際線の機内食は3カ月に1度、短距離路線の機内食は毎週メニューが変わる。仁川~ドバイ路線は1カ月に1度メニューが変わり、中東料理と韓国料理が提供される。中東料理が美味であると評判。ファーストクラスではアラビアコーヒーや椰子の実など地域の特産品も出される。すべての料理はイスラムの律法に合わせた「ハラール」の材料だけが使用され、豚肉を材料にした料理はない。写真はエコノミークラスの機内食。
<アシアナ航空>
エコノミークラスでは昨年3月に導入した「プルコギ栄養サムバプ(野菜に包んで食べる料理)」が一番人気。搭乗客の70%がサムバプを選んでいるほどだ。6種の野菜は特殊洗浄液につけた後、流水で洗い、ビニールで覆って鮮度を保っている。サムジャン(野菜につける味噌)には胡桃、松の実、ピーナッツ、カボチャの種、ヒマワリの種などをつぶして入れ、韓国味噌の塩辛さと匂いをまろやかにし、味にコクを加えている。写真はファーストクラスの「宮中正餐七チョプ飯床(ご飯とお汁と7種類のおかず)」。
<タイ航空>
トムヤンクン、チキンカレー、ココナッツケーキなどタイ料理を生かしたメニューがメイン。ほかの外国の航空会社と同様、韓国から出発する便には海苔とコチュジャン、キムチが付く。写真はエコノミークラスの機内食。
<エアインディア>
様々なカレー料理を楽しむことができる。インド式のパン「ナン」が添えられる。写真はエコノミークラスの「チキンカレー」。
<エアフランス>
韓国人にキムチがあるように、フランス人にはチーズがある。エコノミークラスの機内食でも必ずチーズが出される。ビジネスクラスとファーストクラスでは7~8種のチーズが用意され、乗客の好みに合わせてカットしてくれる。韓国の乗客に一番人気があるのはカップラーメン。飛行機の後方にセットされており、いつでも食べることができるが、エコノミークラスではすぐに「品切れ」になってしまうのでご注意。写真は三ツ星シェフが開発した機内食。
<ノースウエスト航空>
東京発仁川行きのエコノミークラスでは「ビビンバ・ハンドロール」が人気。ビビンバの材料を日本の手巻き寿司のようにして食べるというもの。3カ月ごとにメニューが変わり、現在は照り焼きチキンが提供されている。日本~米国路線のビジネスクラスでは幕の内弁当タイプの日本料理が人気だ。
<カタール航空>
メニューが毎月変わる。韓国の乗客のためにキムチが準備される。写真はエコノミークラスの機内食。
<ユナイテッド航空>
スターバックスのコーヒーがすべての座席に提供される。写真はファーストクラスの朝食。