『朱蒙』、熱狂的ファンを生み出す理由とは?


 熱狂的ファンの登場

 2003年、大人気のうちに放送終了となったMBCフュージョン時代劇『チェオクの剣』では、熱狂的なファンが生まれたが、それ以来こうしたブームを呼び起こす時代劇が長い間現れなかった。しかし現在放送中のMBC月火ドラマ『朱蒙』は、新たなブームを呼び起こすかのように熱狂的なファンが登場している。

 5月15日から放送が始まった『朱蒙』は、これまで第8話まで放送されたが、最近では全国ベースの視聴率で30%を軽く越えるほど人気を集めている。

 すでに今の時点で『朱蒙』ファンの熱狂ぶりは、『チェオクの剣』のファンの勢いを越えるほどだ。今月12日、13日、19日の3日間、ドイツワールドカップの中継のため、『朱蒙』が放送を休むとの情報が伝わると朱蒙ファンたちは、MBCテレビの視聴者掲示板を通じて「ワールドカップ中継より『朱蒙』が放送されることを強く望む」とする多くの意見を書き残した。なぜ、ファンたちは『朱蒙』をこれほどまでに熱狂的に支持するのだろうか。




 ◆ソン・イルグク、ハン・ヘジン、キム・スンスなど実力派若手俳優の登場

 放送初盤、同ドラマの視聴者掲示板では「ソン・イルグクが見たくて『朱蒙』を見る」といった女性ファンたちからの声が時折聞かれた。ハン・ヘジンも同じく、多くのファンがいるスターと言える。しかしソン・イルグクとハン・ヘジン、キム・スンスなどは、果たしてスター性だけを持った俳優なのだろうか。もしそうだとしたら、明らかにドラマとして限界があったはずだ。彼ら若手俳優はスター性を持つうえ、実力も兼ね備えるといった相乗効果を十分に発揮させている。

 朱蒙役を演じるソン・イルグクと母親役で登場するオ・ヨンスは、実際は同い年であるにもかかわらず、ドラマでは親子として全く違和感が感じられない。ハン・ヘジンは、その小さな体からみなぎるカリスマ性あふれる姿で、ソソノ役を完璧にこなしている。キム・スンスも自然な演技で、熱狂的ファンを生み出している。



 ◆ホ・ジュノ、チョン・グァンリョル、イ・ジェヨン、キム・ビョンギ、オ・ヨンス、キョン・ミリなど・・・貫禄ある演技力の勝利

 ホ・ジュノ、チョン・グァンリョル、キム・ビョンギ、オ・ヨンス、イ・ジェヨン、キョン・ミリなどのベテラン俳優もやはり、同ドラマの人気を牽引する役割を担っている。

 彼らベテラン俳優は、ソン・イルグク、ハン・ヘジン、キム・スンスなど若手俳優が登場する前の第1話に出演し、『朱蒙』の熱狂的人気を生み出す基礎を作った。彼らは持ち前の演技力を遺憾なく発揮し、力強い演技で視聴者を『朱蒙』に引き付けるのに成功した。

 特にホ・ジュノは、映画『グラディエーター』のラッセル・クロウに例えて、「ホセルクロウ」という愛称を誕生させるほど人気を集めている。KBS2週末ドラマ『父母様前上書』、SBSミニシリーズ『オールイン運命の愛』など、かつてホ・ジュノが出演したドラマのほとんどは、高視聴率を記録した。

 ◆既存の時代劇では見られなかった特別な面白み

 『朱蒙』には、既存の時代劇で見られなかった特別な「中毒性」がある。ドラマの映像と進歩的なストーリーがまさにそれと言えよう。

 互いに愛し合うヘモス(ホ・ジュノ)とユファ(オ・ヨンス)の2人に、金蛙王(チョン・グァンリョル)が加わり、三角関係に陥る構図が、彼らの子孫にも受け継がれる。ヘモスとユファの間に生まれた朱蒙(ソン・イルグク)と金蛙王の息子テソ(キム・スンス)が、美しいソソノ(ハン・ヘジン)を巡って激しい三角関係を繰り広げる。現実的な感覚で描かれたドラマの中の恋愛模様は、女性ファンの心を捕えるのに十分な魅力となっている。

 それだけではなく、時折登場する戦争シーンは、映画に負けないほど迫力があると高く評価されている。またファンタジーでドラマティックなストーリー、第1話から続けて見ていなくても面白みを感じられる1話ごとのエピソード、現代的なセリフなども熱狂的な『朱蒙』ファンたちを生み出す要素となっている。


 ◆出演者全員の主人公化

 『朱蒙』では、朱蒙のソン・イルグク、ソソノのハン・ヘジンだけでなく、登場するすべての人物が主人公となっている。国のために忠誠を誓う軍師ブトゥクブルを演じるイ・ジェヨンをはじめ、ソソノの父で大商人のヨンタバルを演じるキム・ビョンギ、朱蒙の友人ヒョプボのイム・テホ、オイのヨ・ホミン、マリのアン・ジョンフンなどは、ドラマで欠かすことのできない人物として、それぞれに十分な存在感を発揮させながら、ドラマの面白みを倍増させている。

 熱狂的なファンを生み出した『朱蒙』が、ドラマを中断させているワールドカップ中継の影響を克服し、今後も人気を加速化させていくことができるかに関心が集まっている。

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