カン・ドンウォンとハ・ジウォンが語る映画『デュエリスト』


 スタイリッシュな剣劇アクションが話題の『デュエリスト』(4月22日公開)のプロモーションのため、主演のハ・ジウォンとカン・ドンウォン、そしてイ・ミョンセ監督が東京都内のホテルで会見を行った。

 映画は、女刑事が「悲しい目」と呼ばれる刺客と対決し、狂おしい愛の闘いに身を置く物語。会見では、ハ・ジウォンとカン・ドンウォンが映画を地で行くような、息のあった親密ぶりで受け答えてをして、注目を集めた。役作りについて、ハ・ジウォンが「私はカン・ドンウォンさんより背が低いですし、まして女性ですけども、男性のように強く見せるようにした」と言ったあと、横でおどけていたドンウォンを見て、笑いがとまらなくなる一幕もあった。

 監督によると、日本公開版は説明的なプロローグとエピローグ部分をカットし、「情緒的な部分に焦点をあわせて、ふたりのラブストーリーを際だたせた」という、愛を強調した再編集版。今後、ラストの説明部分をカットしたフランス版が120館で公開予定。以後、ドイツ、英国でも公開される。監督は「各国の情緒にあわせて、編集ができることも監督としては嬉しい」と言い添えた。

 以下は会見での一問一答。

-役作りで気をつけたことは?

カン・ドンウォン:撮影前、舞踊、武術を練習した。でも、武術は途中でやめた。舞踊に力を入れたほうがいいと思ったからだ。舞踊のなかでも現代舞踊に重点をおいた。私の場合、セリフが少なくて、舞踊で体を使って感情を示すシーンが多かったので、舞踊に力を入れた」

ハ・ジウォン:シナリオの段階で、役柄に定形のイメージはなかった。撮影に入るまえに、歩き方、しゃべり方、表情などを監督一緒に作っていった。撮影より、準備段階のほうが大変だった。私は背が低いけど、頼もしい男性っぽい武士のイメージを作ろうと努力した。

-おたがい見つめ合うシーンが多かったが、想い出に残っている撮影中のエピソードは?

カン・ドンウォン:撮影前の準備期間に、一緒にタンゴの練習をした。タンゴはおたがい息をあわせなければ踊れない。撮影前からかなり親しくなった状態で練習をしていた。でも、あまり親しくなりすぎてしまい、いざ撮影が始まってみるとおたがい見つめ合っただけで笑ってしまった。

ハ・ジウォン:私は元々、笑い上戸。カン・ドンウォンさんもよく笑う。でも、悔しいのはドンウォンさんが休憩から撮影に入ると笑うのをやめる。私独りが笑っていて、スタッフの方に申し訳ないなと思った。あと、背景が暗くてあまり見えない状況のなかで、アクションをしなければならなかった。申し訳なかったのは、私が刀で彼のあばら骨を突いてしまった。あばら骨にプロテクターをつけていて大事には至らなかったが、非常に申し訳ないと思った。彼はすごく優しくて、大丈夫ですよ、と言ってくれた。

-いま見ても仲がいいが、おたがいの印象は?

カン・ドンウォン:いまは知りあって時間が経ち、かなり親しくなった。私より、少しだけ年齢が上で、非常に優しく、面倒見のいい、気さくなお姉さんという感じがする。

ハ・ジウォン:彼は噂で人見知りだ、と聞いていた。でも、実際はそう感じなかった。私の前に最初に現れたときは、非常に眠そうな表情だった、というのが第1印象。一緒にいると楽な人だ。撮影前、一緒に手をとりあってダンスをすることも多く、それが撮影する上でよかったと思う。ただ、一生懸命やるタイプであると同時に、とても眠りが多いひと。だから遅刻をしてきたこともあった(笑)。明け方2,3時ころまで練習をしていた。私が知っていることは彼が知らない、私が知らないことは彼が知っている。お互い補完しあう関係だった。

-「悲しい目」役のカン・ドンウォンさんが自分の目をたとえるなら、どんな目か?

カン・ドンウォン:私の目をたとえるなら、ハ・ジウォンさんが言っているように、眠たい目というのが合うかなあ、と。眠そうな目と悲しい目はあい通じるものがある。その表現があっているなあ、と思う。悲しい目は映画の設定の名ではなかったが、私たちの間では、なにか名前をつけようということになって。ボッパルという名があった。韓国語で言うと、すごく田舎臭い名前だ。

東京通信員=清水俊雄

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