テレビ界でも進む高齢化、中高年向け番組が増加


 現在SBSで放送中のドラマ『愛と野望』は87年にMBCで放送された同タイトルのリメークだ。19年前、故ナム・ソンフンとチャ・ファヨンが演じた人物を今回はチョ・ミンギとハン・ゴウンが演じている。

 キム・スヒョンの88年のドラマ『砂の城』、小説『雪花』も再びドラマ化される。KBSドラマ『ソウル1945』は解放当時を描き、KBS『故郷駅』といった朝ドラマはリバイバルの代名詞だ。『故郷駅』は企画意図を初めから「今の40~50代が経験した青春の恋物語」と説明している。

 ブラウン管の中に「昔話」が溢れている。テレビをつければ多くのチャンネルから「あの時をご存じですか」というメッセージが流れている。テレビで過去の話が増えた印象を与えるのは、視聴者の高齢化と関係が深い。AGBニールセンメディアリサーチが92年以降、地上波キー局3社のドラマとメインニュースの世代別視聴占有率を調査した結果、50代以上の男女視聴占有率は毎年上昇している一方、20~30代は減少傾向を見せている。

 50代の男女は共にドラマを見るためにブラウン管の前に座る機会が増えている一方、20代男女はテレビから離れている。50代以上の女性占有率は92年の7.9%から2006年には18.8%、 同年齢の男性視聴率は92年の4.8%から11.1%に増加した。一方20代女性の割合は13.4%から9.5%、20代男性も7.0%から3.7%に減少した。

 ニュースも同様に92年に10.9%だった50代以上の男性視聴率が16.6%に増加したが、20代の男性視聴率は6.6%から3.4%に減少した。

 AGBニールセンメディアリサーチは「2000年以降、20代女性の視聴率が低下しながら、高年層に主要視聴層が移行した。若い層の視聴自体が減り、中高年の割合が相対的に増加した」と分析している。視聴層の年齢が高まり、テレビ番組も高齢化傾向が著しいのだ。

 韓国文化観光政策研究院のチェ・ジヨン責任研究員は「若い層はテレビ以外の文化ジャンルやニューメディアなど選択の幅を広げている一方、若い頃からドラマを楽しんできた中高年層が相変わらずテレビを娯楽としている」と説明した。家族全員が揃って見るテレビは、中高年が楽しむ媒体に変わっているのだ。

 過去を素材にした番組も目立つ。KBSが10月から放送する『旧型テレビ』は『サンデーソウル』など70年代に白黒放送された当時の映像を紹介している。

 EBSテレビの『文化史シリーズ』の『明洞伯爵』や『今もマロニエは』も過去を扱った番組だ。

 参与政府初期の『これからは言える』や『人物現代史』などがテレビを通じて現代史を再構成するという政治的意図が強かったとすれば、最近の現象は過去に郷愁を感じる中高年の視聴者に訴える商品を作るという商業的側面がもっと強いというのが専門家らの指摘だ。

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