悪女役はスターへの近道?


 イ・ソヨン、ワン・ビンナ、ソ・ユジンらが悪女役を演じて人気を集めている。MBC『結婚しましょう!』でクォン・ウンソン役として事あるごとにカン・ソンヨンを困らせるイ・ソヨンは天性の悪役キャラとして視聴者の支持を得ている。

 ドラマデビュー作となったSBS『春の日』ではホステス役でチョ・インソンを惑わせ、MBC『新入社員』ではハン・ガインを苦しめ、美貌、学歴、家柄の三拍子揃った会社役員の一人娘役を演じて『ミスターQ』のソン・ユナの再来と絶賛された。

 ワン・ビンナはSBSドラマ『天よ』のアナウンサー、シン・エリ役で5年間におよぶ無名時代に別れを告げた。イ・テゴンを振り向かせるためにメーキャップアーティストのジャギョンを困らせる役だが、朝のニュースキャスター役をクールな髪型とスーツ姿で演じて好評を博している。

 KBS第1テレビの大河ドラマ『ソウル1945』のソ・ユジンも悪女に変身してイメージチェンジを図った。溌剌でキュートなイメージの代名詞だったソ・ユジンは、日帝時代の子爵の娘でピアニストのムン・ソッキョン役で魅力的なイメージを演出している。自分の愛のためにリュ・スヨンを窮地に追い込み、結局自分を裏切ったリュ・スヨンが北に行こうとすると国軍情報部に告発してしまう。

 しかし、ソ・ユジンの冷たくも品のある視線、傲慢な言動や行動が魅力的だという視聴者の意見が多い。


 こうした悪女たちの共通点は一様に派手という点だ。ヒロインが清純だけでなく地味なスタイルで男性たちの愛と助けを求める一方で、彼女たちは派手なスタイルとメイクでブラウン管を闊歩する。自らの愛を奪取するという現代女性の欲望を代弁すると同時にセクシーかつファム・ファタール的な魅力で視聴者の視線を釘付けにしている。

 しかも、はっきりした性格なだけに仕事でも能力を発揮する姿は強烈な印象を残す。

 こうして視聴者の脳裏に焼き付けられた悪女の演技でトップスターになった代表的なケースがソン・ユナとキム・テヒだ。

 デビュー以来、端役を転々としたソン・ユナは1998年、SBS『ミスターQ』のキム・ヒソンを苦しめるデザイナー役で一気にブレイクした。ソン・ユナは当時、おしゃれな衣装とクールで端整なルックスで都会的な美人の代名詞となった。以降、MBC『ホテリアー』などでペ・ヨンジュンと共演するなど、主演級に急成長した。

 キム・テヒもSBS『天国の階段』でチェ・ジウを困らせる裕福家庭の娘役で演技力を認められた。名門大出身の美人女優として注目されたが、初主演を務めたSBSドラマ『スクリーン』は終了時期が早まるなど、演技者としての可能性を認められなかった。

 しかし『天国の階段』で大きな目を見開いて怒りを抑えることができない悪女役を演じてからは、今まで低いと評価されていた演技力を認められるようになった。また額を大胆に見せ、白と黒が印象的な衣装で強烈な印象を残し、CMモデルとしても認められるようになった。

 悪女はインパクトを残せるスターへの近道だ。今後も火花散る悪女たちの戦いが期待される。

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