韓国ではアンコウをこう食べる! 馬山名物の辛~い「アグィチム」


 馬山といえば浮かぶのが蒙古醤油、ムハクソジュ(韓国の焼酎)、馬山魚市場、プリム市場の豆スープ、中央洞の鍋焼きうどんなど幾つかあるが、何といってもアグィチム(蒸しアンコウ)がその代表といえるだろう。

 馬山の魚市場の向かいには「ミニ明洞」と呼ばれる午東洞があるが、その一角にアグィチムを食べさせる店が並ぶアンコウ横丁がある。

 このアンコウ横丁の道を50メートル程進み、左に曲がる道の入り口のところにあるアンコウ専門店。どの店も自分の店を「元祖」だと叫ぶが、この店が本物の元祖だという意見に異存を唱える人はいない。ほかの店は既にソウル式のアグィチムに変わってしまったようだが、この店だけは昔ながらの馬山式アグィチムにこだわり続けている。




 この店を仕切る3人トリオ。



 トンチミ(汁の多い白キムチ)は甘い。



 この写真で馬山とソウルのアグィチムの差が分かる人はかなり観察力のある人か相当のグルメといえるだろう。

 違いは汁だ。でん粉を全く使っていない、つまり汁がドロッとしていないのが純馬山式。馬山でも今ではこの店だけが唯一でん粉を使っていないという。さらに隠し味に韓国味噌を使う。




 この店のアグィチムのもうひとつの特徴は干したアンコウを使うという点。ソウル式は冷凍からとけたばかりのアンコウの柔らかい肉を使うが、この店はコリコリした、時には噛むのが難しい程に干したアンコウを使うというのが特徴。これに味をしめてしまったらソウルのフニャフニャのアンコウには魅力を感じなくなる。



 見ただけで口の中が辛くなってくる。コリコリのアンコウにさっぱりした辛さ。いくら食べても飽きない味付け。食べ終わって家路についた後も再びこの味が恋しくなるほどだ。

 寒い冬、辛いアグィチムにご飯を交ぜあっという間に一膳平らげた記憶、仲間たちとアグィチムを囲み、何本ものソジュを空けた記憶、韓国味噌の香り広がるこの店のアグィチムにはそんなたくさんの思い出も染み込んでいる。

値段:大2万5000ウォン 中2万ウォン 小1万5000ウォン
お問い合わせ:055)246-0427

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