今年の旧正月連休に放送されたテレビ番組で最も話題になったのは『全国童顔選抜大会』だった。1位となった大学生の息子を持つ46歳の主婦は、息子と並ぶとまるでカップルのように見えて人々に衝撃を与えた。
彼女の童顔ぶりはネット上でも話題になり、普段からテンジャンチゲ(味噌鍋)を食べているということまで記事となった。
芸能人が整形手術をして生まれ変わりたいと思う心理は、美しく見せたいという願望もあるが、すべては自分の年齢よりも若く見せたいという熱望から始まる。若く見えることが結局は競争力になるという考え方をするようになったのだろう。
女優のイム・スジョンは高校生役を演じても違和感のない代表的な童顔で、44歳のファン・シネの与える健康美は単純な童顔以上の若さの代名詞として多くの女性たちを刺激する。
コンサートをする度にエネルギーを得る「幼い王子」ことイ・スンファンは、同じ年のピョン・スンヨプと比較されるなど、誰もが認める童顔の代表選手として知られる。
34歳のソテジも『僕は知っている』を歌っていた頃で年齢が止まり、『海神』に主演したチェ・スジョンは45歳という年齢を忘れさせる青年の魅力に溢れている。
ならば本当に美男美女、モムチャンブームに続き、童顔が人気の主流となり得るのか?
以前は実年齢より若く見えれば初対面で見下されたりマイナスの面が多い印象があり、年は取っても相応の風格がなければ認められない風潮があったが、世の中は確実に変わったようだ。
若く見えることが自己管理や健康管理のできる人として認められるようになり、年齢に比べて若く暮すことが熾烈な競争時代に明らかなプラスとなってくれる。 40代でジーンズをはいてもまったく違和感のない時代になったのだ。
それでも必要以上に若く見えれば、仕事上は経験が浅いような印象を与えてしまう。 しかし、生まれ持った童顔こそが何事にもプラスに働くことを理解すべきだが、人為的に若作りをすることは非常に見苦しい。
こうした若く見えることが絶対的に有利だという視覚が与える整形中毒の問題点もあるからだ。
現実性を諦め、すべてを若く美しく見せようとする不自然さが与える事実はどれほど耐えにくいことか、実年齢を逆行したがる童顔を熱望することが、どれほど無意味なことかを熟知すべきだろう。
最近、俳優のアン・ソンギさんに会う機会があった。韓国を代表する俳優である彼の顔には誰も真似することができない笑顔がある。人生を充実して生きてきた証である年輪が彼に美しい微笑みを与え、これこそが童顔以上の神が与えた自然な表情と言えよう。映画関係者のすべてが彼を慕い心から尊敬する理由がそこにはある。