チェ・ミンシク「文化主権放棄した国の勲章はいらない」


 俳優のチェ・ミンシクが7日午後、1人でソウル光化門文化観光部建物を訪れ、2004年に映画『オールドボーイ』のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞で授与された文化勲章を返却した。

 チェ・ミンシクはこの日、勲章返却に対する規定がないため、正式に返却を受け付けられないという文化部の方針に従い、1階ロビーの案内デスクに勲章を預けるという方法で勲章を返却した。

 チェ・ミンシクはこれに先立ち、文化部の前で今回の勲章返却に対する自身の考えを綴った声明文を読み上げた。

 チェ・ミンシクは声明文で「2004年5月のフランス・カンヌで流れた『オールドボーイ』のメーンテーマ曲が今でも耳に鮮明に残っている。当時、我々の映画の高い芸術性が注目、賛辞を受け、成熟した文化映画的土壌まで羨ましがられたものだ。これまでは、自国の映像文化を唯一保護するスクリーンクオータがあった。映画人として、国民として誇りに思っていた」と述べた。


 チェ・ミンシクは「昨今の事態を迎え、あの日の栄光と韓国映画人としてのプライドは、今では悲痛さ、裏切られたという思いにとってかわった。屈辱的な文化主権の放棄は、自身の文化主権とアイデンティティーを放棄する自害行為にほかならない。これと同時に映画人は集団力主義者、破廉恥集団と罵倒されている。これに胸を痛め、勲章を返却する」と述べた。

 チェ・ミンシクは最後に「栄光と誇りだった勲章が、文化主権を放棄した屈辱の証、憤怒の証になった。文化主権を自ら踏みにじる国の勲章はもはや必要ない。我々の映画を守るため信念を捧げることをこの場で宣言する」と付け加えた。

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