チャン・ドンゴンが、「スクリーンクオータ(韓国映画の上映義務日数)制を死守するための映画人リレー1人デモ」の3人目のデモ隊として街頭に立った。
6日午後1時、ソウル光化門にある教保生命ビル前で行われたデモには、チャン・ドンゴンを一目見ようと2000人近い人が押し寄せた。結局一人デモは5分で中断された。その後、再開方法が検討され、汝矣島国会議事堂正門前に場所を移して行われた。
チャン・ドンゴンが「スクリーンクオータの友人になってください。世界に太極旗を翻しましょう」と書かれた立て札を持ち、再び姿を現したのは予定時間を10分ほど回った午後2時40分ごろ。無精髭を生やし平凡なアイボリーのジャンパー姿で道に立ったチャン・ドンゴンは、取材陣の質問に一つ一つ答え「スクリーンクオータ制が廃止されたら、韓国映画はすぐに淘汰されてしまう」と声高らかに訴えた。チャン・ドンゴンは午後5時までデモを行った。
1人デモを行ったチャン・ドンゴンとの一問一答は次の通り。
-スクリーンクオータ制がなくても韓国映画は十分に競争力があるという意見がある。
「いい映画を作ろうとすれば当然競争が起こる。部分的には合っているが、現実的には合っているとはいえない。(スクリーンクオータ制が廃止されたら)いい映画が観客から背を向けられる以前に、劇場からも背を向けられ、結局誰にも見てもらえなくなる。海外でも、スクリーンクオータを維持しながら自国の映画を発展させ、廃止した後に痕跡だけが残っているケースが多い。いい映画を作ればいいと言うが、現実はそうではない」
-スクリーンクオータ制がいつまで維持されるべきだと思うか。
「個人的には、スクリーンクオータが廃止されることなく、今後も続いてほしい。スクリーンクオータ制度のない国もあるので、デモが自国の映画を発展させられる契機になることを望む」
-米国が自由貿易協定(FTA)交渉の条件にスクリーンクオータ制の廃止を求めているが。
「韓国映画を通じて得られる利益は、経済的側面も文化的側面も大きい。昨年の韓国映画の輸出による外貨収益が1000億ウォンほどになると聞いている。他の産業でこれほどの利益を出すのは簡単なことではない。それほど経済効果が高いということだ。文化的にその価値は計り知れない。海外で企業が宣伝活動を行うのは、結局のところ、イメージのためではないのか。韓国映画やドラマを見て好感を持てば製品の購買につながる。目に見えない効果の方が大きいと思う」
―最近、韓国映画の占有率が高くなっているが。
「韓国映画の占有率が50%を超えるといっても、残りはハリウッド映画ではないか。開放という名で(スクリーンクオータ制縮小、廃止を)強要するとしたら、それは独占を意味する。そのままにしておくのではなく、政府が国民を説得すべきだと思う。基本的人権が尊重されなくてはならないように、文化的権利も認められるべきではないか」
―初めて1人デモを行った。感想は?
「初めは恥ずかしかったけど、出てみるといいものだ。アン・ソンギ、パク・ジュンフン先輩は寒かっただろうが、私にはこんなに温かい日差しも差している(笑)」
―後輩俳優たちにも1人デモを勧めるつもりか。
「実際、私は今日この場に自らの意思で出てきた。観客から好感を得なくてはならない俳優として今この場に立つことは、一歩間違えたら危険なことだ。アン・ソンギ、パク・ジュンフン先輩や私もそう認識している。だから、先輩や私が後輩に押しつけるつもりはない。正しいと思ったら付いてくることを、そうでなかったら、悪いように思わないで欲しい」
―なぜこの場に出て来ようと決心したのか。
「映画人が各自の考えをより具体的に伝えることができる場が必要だと思った。こうして街頭に出たら、もっと早く人々の心を動かせるのではないかと思った」