【韓国ドラマ】安全不感症-劣悪な撮影環境「予測された事故」


 『オオカミ』の放送事故で、やや劣悪な韓国ドラマの制作条件がアジア全域に赤裸々に知られることになったのではないかと懸念される。

 放送関係者らは、エリックとハン・ジミンの撮影中の事故がドラマ編成変更という結果につながった今回に事態につき「問題が起こるべくして起こった」とし、今度の事件は人災であると糾弾する。

 すなわち、台本に頼り切って時間を争う差し迫った撮影条件の中で、十分なリハーサルもなく行われるアクションシーンや自動車追撃シーンには、危険が散在しているということだ。22日深夜に起こったエリックとハン・ジミンの交通事故も、深夜の撮影だったために車を運転していた女性スタントマンの調子が万全でなく、このためにブレーキを踏むタイミングが本人の意思より遅れ、事故につながった人災と解される。

 戦闘シーンが乱舞する大河ドラマで、大なり小なりエキストラの事故は度々起こっている。少し前にドラマ『シンドン』の重要な役どころの一人だった助演のチョン・ミョンファンが、最後に処刑されるシーンで真剣が全身を3カ所も突き、10数針縫う事故も起こった。

 ドラマが短い時間に集中して撮影される最大の理由は、ドラマ編成やキャストが放映直前にならないと決定せず、台本が仕上がるのも非常に遅いからだ。少し前に放送が終了した『甘いスパイ』の場合、全出演者とスタッフがいつでも撮影できるようにスタンバイし、台本がワンシーンできると急いで撮影するというように撮影された。

 最近に入り、事前制作ドラマが一部で制作されているが、追われるように撮影される一般ドラマと完成度の面で大して変わらないという理由で、かえって編成されず冷遇されるという笑えない事態も起きている。韓流時代に相応しい韓流スター、エリックが主演を演じる『オオカミ』への関心は、国内はもちろん海外でも高く、エリックの事故は直ちにアジア全体に報じられた。

 韓流スターたちの一挙手一投足が関心を集める時代に、韓流スターの放送事故やドラマ編成変更は、国内はもちろん、海外の視聴者に対する約束違反であり、国家信頼度の低下につながりかねない。韓流に冷水を浴びせる「第2のオオカミ」という事態を防ぐためにもテレビ局やドラマ制作会社の制作風土を改善する努力が行われるべき時が来ている。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース