チェ・ジウ、日本を再び揺るがす


 お互いの国に対し、悪い記憶を持つ韓国人女性と日本人男性の愛のドラマ。一歩踏み込んで韓国と日本の理解と友情をメッセージに込めたドラマが日本の視聴者たちを引きつけている。

 韓国の女優チェ・ジウ主演のTBSドラマ『輪舞曲-ロンド-』。日曜日15日夜9時、108分にわたり放送された初回放送の視聴率が20%を記録、2004年に日本で韓流ブームを起こした『冬のソナタ』の最高視聴率20.6%(最終回)と肩を並べた。冬のソナタの平均視聴率は14.4%だった。

 『輪舞曲-ロンド-』は日本のTBSが120億ウォン、韓国イェダンエンターテインメントが20億ウォンを投資したが、制作主体がTBSであるため厳格な意味では“韓流ドラマ”ではない。第1話の舞台もまた、ほとんどが日本だった。しかし、日本で“ジウ姫”と呼ばれるチェ・ジウがヒロイン「ユナ」役、歌手イ・ジョンヒョンが妹「ユニ」役、俳優シン・ヒョンジュンが犯罪組織の韓国人ヤクザを演じ、韓国人俳優たちのセリフが全て韓国語で行われた。日本人男性主人公「ショウ」が子分「ヒデ」に「オッパ」という間違った韓国語で呼ばれるほど韓国語が良く登場する。

 このことから、日本語で録音された「韓国ドラマ」よりも韓国色が強いのが特徴だ。TBSが放映前に行った大々的なプロモーションもまた、「ショウ」役を演じた竹野内豊よりチェ・ジウを前面に押し出した。竹野内豊は映画『冷静と情熱のあいだ』で繊細な感性の演技を見せた韓国でも有名な日本の俳優だ。


 「ユナ」は子ども時代、日本で父親を失った記憶から「日本は本当に嫌な国」と叫ぶ。「ショウ」もまた幼少時代に警察官だった父親が韓国でアジアのマフィア組織「神狗」に殺され、「必ず自分の手で犯人を捕まえる」とし、刑事になった。ショウが「神狗」に潜入し、マフィアの組員になる設定は、香港映画『無間道』を模倣しているが、我流と思えないほど完成度が優れていた。「ユナ」と「ショウ」が「ジャスティス」という名の子犬を通じ偶然に出会い、相手の国に対する悪夢と言葉を超えた関係に引き込まれるという場面で1話の幕を閉じた。

 23.2%の瞬間最高視聴率を記録したシーンは、「ショウ」が言葉の通じない「ユナ」に「ジャスティスは俺にとっては家族」という韓国語のメモを渡す場面。お互い通じない日本語と韓国語が飛び交い、視聴者たちにかえって妙なぐらいの感情的同感を与えた。マフィアを舞台に繰り広げられる「ハードボイルドモード」がドラマ全体を支配する一方で繰り広げられる韓国と日本の愛の物語。しかし、制作側が日本の視聴者に伝えようとするメッセージは、韓国と日本の新たな友情だ。38歳の植田博樹プロデューサーは、「私たちの世代は歴史は知らないが、“フランクな関係のドラマ”を作ることができる。過去は変わらないが、未来は私たちが作っていくということだ」という内容のメッセージをドラマホームページに載せた。

 『輪舞曲-ロンド-』が記録した20%の視聴率は、最近開始した日本のドラマより高い水準。SMAPの香取慎吾が出演して記録的視聴率をつけた『西遊記』(14日放映、29.2%)には届かなかったが、日本テレビとTBSが先週金曜日と土曜日にそれぞれ放映した『喰いタン』(17.4%)『夜王』(17%)を圧倒した。

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