【2006韓国映画期待作10選】②『ホリデー』

　『ホリデー』
　監督:ヤン・ユンホ、製作:ヒョンジンシネマ、主演:イ・ソンジェ、チェ・ミンス

　1988年10月に懲役7年、保護監護(再犯防止のため社会から隔離して施設に収容し教化・社会復帰訓練を科す刑事処分)10年の刑を受けて服役中のチ・ガンヒョク(イ・ソンジェ)と囚人たちが護送車から武装脱走に成功する。あちこちで一般の家庭に入って人質をとるなどしてソウルを恐怖のるつぼに落とすこと9日目、ガンヒョクたちは追っ手のアンソクに発見され、最後の対決を繰り広げる。そしてガンヒョクが頼んだ歌「ホリデー」が響き渡る。

　今も人々の記憶に鮮やかな「有銭無罪、無銭有罪」の叫び。実在の脱獄囚チ・ガンホンの事件をスクリーンに移した『ホリデー』はその題材からして濃い社会性を持った物語だ。チェ・ミンスが演じるアンソクを除いたすべてが実在の人物。映画は、最後の一文字だけ実在モデルの名前と変えた主人公チ・ガンヒョクの人間的な一面をさらに浮き彫りにして現代でも当てはまる「有銭無罪、無銭有罪」を鋭く突くのが狙いだ。1月19日韓国封切り予定。