時代劇はスター女優誕生の王道か?
『宮廷女官チャングムの誓い』(原題『大長今』)のイ・ヨンエ、ヤン・ミギョン、パク・ウネ、ハン・ジミン、『海神』のスエとキム・アジュン、『薯童謡』(ソドンヨ)のイ・ボヨン、『シンドン』のソ・ジエ・・・。
かつて時代劇は難しい演技の訓練を経て演技者として一段階成長する通過儀礼程度にしか思われていなかったが、最近は大作時代劇、国境を越えた無国籍時代劇、漫画原作の時代劇などジャンルが多岐にわたり、これらを経てスターの座をつかむ女優が増えている。
視聴率が高い時代劇に出演する女優は一躍、老若男女のさまざまな視聴者層の心をとらえた代表的「好感」女優になる。ほとんどの時代劇が6ヶ月を1クールとして放映されるので、人気時代劇を通じて半年近くブラウン管に登場すれば、自然に認知度が上がる。また時代劇のヒロインはたいてい善良な性格なので、多くの人々に好感を与えイメージ的にもプラスになる場合が多い。
『海神』でヒロインを演じたスエは新人だったが、ドラマの成功とともにトップスタークラスに躍り出たケース。キム・アジュンは張保皐(チャン・ボゴ、9世紀に唐・日本と交易をした武将)の護衛武士として出演し認知度を高めた後、コマーシャルや芸能番組オファーが殺到し、自然な流れでスターへ飛躍した。
日曜日の朝ドラマ『水花村の人々』や連続ドラマ『かわいいあなた』などに出演、人気よりも本格派演技者として基礎を固めてきたイ・ボヨンも、『薯童謡』(ソドンヨ)のソンファ姫でその魅力が見直され、ダニエル・ヘニーとCJホームショッピングに出演するなど一挙に7本のコマーシャルに登場、スターへと一気にジャンプした。
パク・ウネ、ハン・ジミンらは『宮廷女官チャングムの誓い』でスターに名を連ねた女優。ソ・ジエは『シンドン』で最も注目される新人スターとしてスポットライトを浴びている。
視聴率 50%に迫る国民的時代劇に出演する場合は、はじめから国民的俳優という看板がついて回る。『宮廷女官チャングムの誓い』のイ・ヨンエが代表的な例だ。映画スター、イ・ミヨンも『明成皇后』に出演して国民的女優の仲間入りをした。
しかし時に敏感な女優にとって、半年という歳月は非常に長く重要な時間であることから、大作時代劇1本に縛られて失敗した場合は打撃が大きい。善悪の対立構図の中、時代劇の主な女性登場人物はたいてい性格がとても強かったり弱かったりと極端的なケースが多く、イメージチェンジが容易ではないことや、台詞のトーン・演技自体が現代ドラマより難しいということも女優たちが出演を渋る理由に挙げられる。
こうした理由で時代劇は男優より女優のキャスティングが難しいと口をそろえる。『太王四神記』の制作陣がトップクラス女優からヒロインを決めるのに困難を極めた訳もここにある。
だが演技者として全国民の記憶に残るような代表作を1つ持っているということは最高の栄誉だ。このため演技に貪欲な真の女優たちはあれこれ計算しながら出演を避けるより、作品と配役が魅力的ならば喜んで時代劇に出演してきた。
先日はハン・ヘジンとムン・ソリが今年一番注目される2本の時代劇『三韓志』と『太王四神記』への出演を決めた。すでに立派なスターではあるが、イ・ヨンエのような国民的女優に生まれかわるチャンスを迎えたことになる。