冷麺の本当に美味しい季節は「冬」! 沃川式と平壌式の差を徹底追及

 冷麺が本当に美味しい季節は実は冬。

 冷麺の本場、北朝鮮出身の人々は「熱々のオンドルの床に座り、冷麺をすすると、食道を通る冷たい感触に体がブルブル震えた」という幼い頃の記憶があるという。

 冷麺のように好き嫌いがはっきり分かれる食べ物もないだろう。「沃川冷麺」の場合、特にそのような傾向が強い。平壌(ピョンヤン)式の冷麺が好きな人は「これは伝統冷麺じゃない」とし、沃川冷麺を嫌う。

 反面、沃川冷麺愛好家の人々はこの冷麺を食べるためだけにソウルや全国各地、特に沃川冷麺の有名な京畿(キョンギ)道・楊平(ヤンピョン)・沃川(沃川)まで車を走らせる。行楽客が集まる週末になると、巨大な駐車場に変わる6番国道の凄まじい渋滞に耐えてまで・・・。

 沃川冷麺と伝統式の平壌冷麺はスープに最も大きな差がある。平壌冷麺は牛肉を煮込んだスープにトンチミという水キムチの汁を混ぜるのが基本。店によっては鶏肉や鴨肉、豚肉のスープを混ぜることもある。牛肉だけでは重くなりがちなスープの味を軽くさせるため、隠し味として加えるのだ。

 沃川冷麺は豚肉を煮込んだスープだけを使う。トンチミの汁は混ぜない。そして醤油と砂糖で味付けをする。かすかに凍ったスープは甘みが強くさっぱりしている。しかし平壌冷麺のような酸味は全くない。平壌冷麺愛好家からは「スープが凍っていることからしてけしからん」という声も聞こえるが・・・。

 沃川一帯の冷麺店のうち、「元祖」と言われている「沃川冷麺」の主人イ・インスクさんは、トンチミの汁を入れない理由として、「トンチミは季節によって味に大きな差があるため、1年中同じ冷麺の味を出すことが難しい。だから冷麺の味も季節によって違ってしまう」と説明する。スープについては「牛肉は臭いがあるので使わない」という。

 沃川冷麺と平壌冷麺のもうひとつの差は麺。沃川冷麺の麺は平壌冷麺に比べ太い。太さが違うため当然歯ざわりも違う。沃川冷麺の愛好家は「この歯ざわりがいい」というが、平壌冷麺の愛好家は「ソバ特有のプチプチ切れるような感触が足りない」と非難する。

 両者の闘いは永遠に終りそうもない。




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