【テーマインタビュー】張東健、人生に影響を与えた3人

 他に説明する言葉が要らない大韓民国を代表する美男俳優。彼の顔を見つめると「分裂」や「論争」というような言葉さえ出てこない。老若男女すべての心を一つに“統一”させてしまう、まさにその顔、張東健(チャン・ドンゴン)。

 はためかせた太極旗をきっちり畳み(『ブラザーフッド』の原題『太極旗をはためかせて』にかけている)、映画『タイフーン』で2年ぶりに戻ってきたチャン・ドンゴンに会った。今回のインタビューのテーマは「人」。トップスター、チャン・ドンゴンが語る人と彼の人生、映画の話を聞いてみよう。

#1.ウォンビン

 唐突にまたなぜウォンビン? だが“唐突”ではない。チャン・ドンゴンを語るとき、欠かせない存在がまさにウォンビンであるからだ。「ママが好き?パパが好き?」という質問以上に答えにくい質問が「チャン・ドンゴンとウォンビンどっちがカッコイイか」という質問。

 また、ウォンビンとは『ブラザーフット』に兄弟役で出演し、韓国映画の新しい歴史を作った。ウォンビンに対するチャン・ドンゴン本人の想いはどうなのか。

 「見た目は…そうですね。年の差もあるし、それぞれの個性もあるので…。それよりも性格で似ているところが多いようです。ビンをみると、私の昔の姿を見ているみたいです」


 ウォンビンとは一言で、兄弟のような関係だという。

 ウォンビンの入隊前、2人はプレゼントを交換した。兄貴チャン・ドンゴンは、弟分のウォンビンに、入隊のはなむけに酒をご馳走し、その翌日、弟ウォンビンは兄貴チャン・ドンゴンにカメラ付き携帯で撮った写真を送信した。その写真の中には、剃ったばかりのツンツンした坊主頭が写っていた。「坊主刈りにした頭がクリクリしているのが本当に可愛かったんです。ビン、軍隊無事に行ってこいよ」

#2. ソル・ギョング

 『タイフーン』で海賊「シン」を演じるため、チャン・ドンゴンは厳しい減量をした。もともと太っている方ではなかったが、鋭いイメージを作るため、思い切った減量をした。とりあえず食事の量を減らし、徹底的に炭水化物を排除し、タンパク質だけを摂取した。映画の中のキャラクターの特性上、ウエートトレーニングを一切せず、ひたすら有酸素運動ばかりした。その結果、撮影の間は『ブラザーフッド』の時より7~10キログラム落ちた体重を維持できた。


 しかし、急激に体重を落としたので、体に無理がかかった。結局、先輩俳優の薜景求(ソル・ギョング)にSOSを送った。なぜソル・ギョングなのだろうか。『オアシス』『公共の敵』『シルミド/SILMIDO』『力道山』などの作品で、何と40キログラム程体重を増やしたり減らしたりした自称“体重を操る俳優”ではないか。

 「ギョングさんは、体重を落とした時、めまいがすることはありませんでしたか? 私は最近、車から降りるとき、何かにつかまってないとフラフラします」

 ソル・ギョングいわく「おいお前、そんなことしてるうちに、本当に倒れるぞ」

 チャン・ドンゴンを心配したソル・ギョングは、自身のノウハウを事細かに伝授(?)し、そのおかげでか、チャン・ドンゴンは幸い倒れることなく撮影を終えることができた。

#3.クァク・ギョンテク

 デビュー後、チャン・ドンゴンには「美男」という修飾語が常に前に付いていた。それほどまでに外見だけで多くの人気を博したが、その一方で演技力には常に疑問符がついて回った。しかし、クァク・ギョンテク監督の『友へ/チング』以降、チャン・ドンゴンは翼を付けたように羽ばたき、ついに「スター」と「俳優」という修飾語を2つとも獲得したのだ。


 「私の役者人生のターニングポイントには、やはり『友へ/チング』が挙げられるでしょう。クァク監督が私にピッタリの服をあつらえてくれたようです。『友へ/チング』以降、自分に対する自信もぐんと付きました」

 それもそのはず、『友へ/チング』以前は美少年のイメージが先立つ役を主に演じてきたが、それ以降は自分自身も知らなかった心の奥深いところにある男性美を燃焼させてきた。

 このような男性的なキャラクターの結晶体がまさに14日、韓国で公開される映画『タイフーン』の「シン」だ。『友へ/チング』以降、4年ぶりにクァク監督とコンビを組んだこの映画で、チャン・ドンゴンは長髪と髭、憔悴した姿など外見の変化からも伺えるように、最高の男性美を見せる予定だ。

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