【インタビュー】歌にバラエティーに大活躍のキム・ジョングク


 今年の人気歌手を唯一挙げるとしたら、すぐさまキム・ジョングク(28)の名前が挙がるだろう。『足踏み』『愛らしい』『星、風、太陽、そして愛』を次々とヒットさせたキム・ジョングク。

 大きく筋肉質の体から放たれるハイトーンボーカル。その反面、あらゆるバラエティー番組に出演するなど、魅力的な二面性を見せている。

 今年のキム・ジョングクは歌も、トークも、体も“絶頂期”だった。「アルバムがリリースされたのに、バラエティー番組に頻繁に出たので相乗効果があったようです。バランスが取れていて、みんな喜んでくれたようです」

 何も考えず出演したSBSテレビのバラエティー番組『日曜日が好き―Xマン』でユン・ウネと「Xマン公式カップル」にされたことは幸運だった。「放送に出る度に話題の中心に自分がいた。楽しかった」と言う。

 「今年でなければ、いつまたこんな機会が訪れるのですか?」と各種メディアを通じて堂々と今年の音楽賞に向けた意気込みを語ったキム・ジョングクは、一歩引いてこう語った。「もうデビューして10年です。賞というものは受賞すれば嬉しいですが、受賞できなければ仕方がないということは痛いほど分かっています」

 6日午後、蚕室(チャムシル)体育館。「韓日友情記念コンサート」を控えてバッグダンサーに混ざって控室の片隅で彼は弁当を食べていた。

 「Cool」と共に夏のK-POP界の人気を二分した「TURBO」のメンバーだったキム・ジョングクが2001年にソロアルバムをリリースした時、人々の関心は非常に低かった。「TURBO」の曲は瞬間の爆発力はあったが、揮発性が強く簡単に忘れられた。懸命に歌いラップしたメンバーは、悲しくもトークもキャラクター性にも欠けていた。歌唱力だけは認められたが、「TURBO」的なキム・ジョングクのソロデビューアルバムの失敗は、ある意味自然な結果だった。



 その後、2年間のブランクを経験したキム・ジョングクは、18歳にデビューして前だけ見て突っ走ってきたが、その時に世の中や聴き手の気持ちを知ったと言う。歌い、体を鍛え、多忙で、酒もタバコもせず、人と話すことが苦手だった彼は、「芸能人サッカーチーム」に入団、一足遅れて多くの芸能人から遊び方を学んだ。サッカーをするだけでなく、サッカーチームは彼の「芸能活動訓練所」でもあった。

 「TURBOの時はバラエティー番組にはほとんど出ませんでした。テレビに出るのが怖かったんです。ところがブランクが空いて多くの芸能人と交流して昨年に2ndアルバムをリリースしてからは、テレビに出るのが楽しくなりました」

 もちろん、「これからは自分一人で生き残らなければならない」という危機感も大きかった。世の中も彼の見方になった。健康ブームによって筋肉質で健康的なキム・ジョングクに注目が集まったのだ。こうした条件が整うと、彼のハイトーンボイスは多くの支持を受けるようになった。そして、幸運はヒット曲との出会いにもつながった。

 キム・ジョングクの音楽的欲望は素朴だ。「人々が私の音楽を認めてくれるのを望むのではなく、人々が私に望む平均的な歌を歌いたい」と言う。「ある昔の曲を聴けば、その当時の悲しみや喜びを同時に思い出すでしょう。人々の生活に溶け込む、そんな歌を歌って行きたいです」。作曲に関心がない彼の情熱は声に感情を込めることに集中される。

 キム・ジョングクには米国公演や東南アジアでプロモーションビデオを撮った時にも、常に彼の傍にいる一人の女性の存在がある。それは母親だ。海外に行く時は主に母親と行動する。「私が朝食を食べないと物凄く叱るような人です。 この10年間、最も心強い後援者でもありました。少しでも親孝行したいです」

 ブランクが空いて先が真っ暗だった頃、毎晩10時になると母と手を取り合って近所のレンタル店に行き、マンガとビデオを借りて来て一緒に見て話しをしながら夜を明かしたというキム・ジョングク。母の力は偉大だった。

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