トンネルを抜けると「雪国」だった・・・旌善でセンチメンタルな汽車の旅


 韓国には寂しい時は汽車でとにかく旅をせよと言った詩人がいる。雪に包まれた山の景色を見ながら、様々な思いに浸りたい・・・そんな時は江原(カンウォン)道・旌善(チョンソン)へ汽車の旅に出かけよう。

 旌善には「チュンサン~アウラジ」をつなぐ「旌善アリラン遊覧列車」が運行している。客車の前後に機関車が1両ずつ、客車1両がすべての「チビ列車」だ。小さいけれど味のあるこの列車は、38.7キロメートル(50分所要)を走る間、峡谷に沿ってクネクネ曲がり、橋梁を渡ってトンネルの中に入った後、広大な平地を横切り、静かな山奥へと向かう。

 チビ列車というと古い鈍行列車を連想させるが、内部はお洒落なカフェのような作りになっている。幾つかの椅子は窓の外が見られるように配置されており、インテリアもカラフルでお洒落。

 早朝、チビ列車は雪国目指して汽笛を鳴らし、チュンサン駅の線路を滑り出す。時間が早いせいか、周りにはほとんど観光客もいない。その代わり、風呂敷包みを持ったおばあさん、市場まで買い物に出てきた農夫、関節炎の診察を受けに出てきたおじいさんなど。どこか懐かしい面々が座っている。

 外の冷気で窓は曇り、そんな曇りガラスの向こうには銀色に変わった旌善の山と川が広がっている。寂しげな無人駅に汽車は停まり、ポツリポツリと人が降り、そして乗る。静寂の中、汽笛の音だけが鳴り響く。

 このチビ列車はアウラジ駅までしか走っていない。アウラジ駅から終点のクジョルリ駅までの7.2キロメートル区間が昨年9月になくなってしまったため。旌善郡はこの区間にレールバイク(線路自転車)を設置する予定だ。

 チビ列車は45人定員のミニ列車で、チュンサン駅~アウラジ駅を1日3回往復している。チュンサン駅から午前6時45分、午後2時、午後6時15分に出発、アウラジ駅からは午前8時31分、午後3時51分、午後7時30分に出発する。チュンサン駅(033-591-1069)からは清涼里(チョンリャンリ)方向のムグンファ号列車に乗り換えることができる。大人1200ウォン、子ども600ウォン。



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