『消しゴム』イ・ジェハン監督「日本の映画ファンに感謝」


 『私の頭の中の消しゴム』が日本でヒットしている。日本のGAGAコミュニケーションによれば、この映画は現在22億円の興行収入を記録し、10日後の12月初めには、『四月の雪』が打ち立てた韓国映画の日本での最高興行記録(27億円)を超える見込みだという。この映画の真価を口コミで広げた日本の映画ファンのお陰だ。

 24日晩、ソウル鴨鴎亭洞(アックジョンドン)の事務所で会った『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督は「日本の映画ファンに感謝したい」と満面の笑みを浮かべた。

 「韓国のファンより日本のファンのほうが、もっとこの映画を大事に思ってくれているようでとても嬉しいです」

 イ監督は「韓国での公開当時には『悲しい純愛映画だ』『スターパワー(チョン・ウソン、ソン・イェジン)に頼った映画だ』程度の反応だった。しかし、日本では映画の完成度まで計算するなど、もっと深みのある反応が出た」と語った。

 「あえて日本的な感性に訴えた映画ではないのか?」という質問に「特別、日本を意識して作った映画ではない」という答えが返って来た。日本の原作ドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』を見たが、インスピレーションを得ただけで、それとは違う自分の映画を作ろうとしたと言う。

 「最大限、韓国的な情緒も排除しました。ある一国のための映画というより国籍を超えて共感することが出来る映画を作ろうとしたのです」

 韓国で生まれ12歳の時にアメリカへ移民、ニューヨーク大学の映画学科を卒業したイ監督は、韓国語より英語が堪能だ。98年に『The Cut Runs Deep』という映画でデビュー、『私の頭の中の消しゴム』は2作目の作品。これまでに約25本のミュージックビデオも演出している。BoA、復活、フィソンらがイ監督の手がけたアーティストだ。現在は次回作のアクション映画を準備している。

 黒澤明をリスペクトし、北野武の熱烈なファンでもあるイ監督。日本語は出来ないが『ゴルゴ13』や『AKIRA』『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』といった漫画やアニメを楽しむなど日本文化が好きで東京にもよく行くという。

 「次回には『消しゴム』よりも感動的な作品で日本のファンにお会いしたいです」

 近いうちに日本の映画ファンと再会したいというイ監督の言葉だ。

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