キム・ユンジンが帰ってきた。シン・ウンギョン、エリック(ムン・ジョンヒョク)と共演した『6月の日記』(12月1日公開)で、“いじめ”で自殺した中学校2年生の息子の母、ソ・ユニ役を演じる。忠武路(チュンムロ)の時計では、青龍映画祭主演女優賞に輝いた『密愛』(2002)からちょうど3年ぶりの復帰作だ。キム・ユンジンをハリウッドスターにした米ABCのテレビシリーズ『ロスト(Lost)』のハワイの撮影現場から駆けつけてくれたキム・ユンジンに会った。
「9月に『ロスト(Lost)』がロサンゼルスでエミー賞を授賞した時、主演俳優13人中、私1人が授賞式に出席できなかったんです。『ロスト(Lost)』の制作スタッフがその時、私に本当に申し訳ないと言っていました。よりによってその時、私の撮影シーンだけが立て込んでいたので。そういうわけで、今回は私がワガママを言いました。試写会にはどうしても出席したいと。結局、撮影シーン2つうちの1つを後回しにしてくれました」
実際、最近のキム・ユンジンは、孫悟空のように分身の術を使わなければならないほど忙しい。7月から始まった『ロスト(Lost)』は、毎週水曜日の夜になると2000万人の米国の視聴者たちをテレビに引きつけている。ドラマでキム・ユンジンは、夫から暴力を受けるという秘密を抱えた女性「スン(sun)」を演じる。米国人視聴者の目は、異国的なスンにクギ付けになる。
『ロスト(Lost)』の2シーズン目の撮影は、来年5月まで1年間の撮影が予定されており、3シーズン目を撮るとなると追加で1年、さらにハワイに滞在しなければならない。数か月前には、撮影のために現地に家を一軒購入した。「ハワイに別荘を?」と嫉妬半分、妬ましさ半分の顔をすると、「休暇で来るのと、“住む”のとは全く違いますよ」と首を横に振った。撮影がある日は早朝4時40分集合。ハリウッドの人気俳優ビリー・ボブ・ソーントンと共演することが決まり話題を集めた映画『Georgia Heat』も結局、2シーズンと3シーズンの合間を狙って来年夏のクランクインを延期した。
『シュリ』の出演シーンからCNNのインタビューまで、キム・ユンジンが自ら編集した7分のデモテープを持ってオーディションを駆け回っていた“ハリウッド新人時代”を考えると雲泥の差だ。照れくさそうな表情を浮かべたキム・ユンジンは、「強いて例えるなら、韓国で『シュリ』で人気が出始めた時期と似ている」と話した。横に座っていたマネジャーパク・ジョンヒョク室長は「毎週、国際エクスプレスで150通程のファンレターが全世界から届く」とし、「英語圏の国からはもちろん、ペルーなどから送られてきた、たどたどしい英語で書かれた手紙を見ていると、なんだか胸が一杯になる」と話した。
『6月の日記』は、『ロスト(Lost)』1シーズンと2シーズンの合間、オフだった5月と6月の2か月間で撮った作品。息子が学校で“いじめ”に遭っているのも知らず虐待し、息子が死んだ後にその事実を知って愕然とする母親役で、キム・ユンジンは迫真の演技を見せた。特に、クラスメートからいじめを受けている息子の動画を見て絶叫する“母”キム・ユンジンの演技は、ハリウッドと忠武路(チュンムロ)がなぜこの女優に同時にプロポーズするのかまざまざと見せつけてくれる。
キム・ユンジンは、「今は少し変わったが、私がデビューしたころ、韓国で30を過ぎた女優は居場所がなかった」とし、「10年後、40歳を優に超えても、いろんな役で活躍できる、そんな女優として認められるのが私の夢」と話した。その夢はそれほど大きな夢ではなさそうだ。