「ラッキーだと思ってください。あなたがこの質問の答えが聞ける、最後の人ですから。ハハ」
母親が韓国人のハーフの俳優、素晴らしいルックス。「“第2のダニエル・ヘニー”と呼ばれるのをどう思うか」と聞いた途端、デニス・オはご機嫌ナナメになった。「似たような条件なので、比べられても仕方ないが、数年後には確実に違う分野でそれぞれ活躍していることでしょう」
“露出”事件で物議を醸したMBC月火ドラマ『甘いスパイ』に出演中のハーフ俳優デニス・オ(24)。ドラマは先日、第4話が放送されたが、デニス・オの人気はすでに“上昇モード”に入っている。視聴者掲示板には「カッコ良すぎて、画面を直視できない」という称賛から、「表情の演技が見るに堪えない」という手厳しい指摘、ご親切にも英語のコメントまで、たくさんの意見が寄せられた。
デニス・オは、駐韓米軍の父と韓国人の母の間に生まれた。故郷は米テキサス。父について日本とドイツでも生活したことがある。現在、実家は“コカ・コーラの故郷”米アトランタにある。
デビューは16歳で。ラジオを聞きながらランニングマシーンでトレーニングしている際、偶然耳に入ってきたモデルコンテストに出場、カタログ雑誌のモデルを始めた。大学(米サバナ芸術デザイン大学写真学科)時代、アルバイトのつもりでシンガポール、香港でも活動した。そして今年初め、韓国の広告に出演する機会がめぐってきた。
“母の国”韓国で活動することになった時、どう思ったのだろうか。「もう、おいしいものが食べられるということしか考えていませんでした。中華料理は油っぽくて口に合わなかったんです…」。意外だった。食べ物のことで喜んでいたなんて。「ママがいつも家でスープやチゲを作ってくれました。小さいころは、キムチを水ですすいで食べさせてくれたものです」。母は典型的な韓国人だ。
まだデニス・オは、「演技」より「ルックス」から入る俳優だ。台本をすべて英語に訳してキャラクターを分析するが、何かぎこちない。セリフに抑揚がなく、相手役との呼吸もすれ違ってばかりだ。「演技を始めたばかりの新人じゃないですか。初めから完璧な人なんていません。徐々に良くなっていきますから、見ていてください」