【村上龍インタビュー】『東京デカダンス』、6分カットで公開可能に


 日本の小説家村上龍(53)が「映画監督」として韓国を訪問し、17日午後6時、ソウル・光化門(クァンファムン)シネキューブで記者会見を行った。

 この日の会見は、村上が演出した映画『東京デカダンス』(12月2日公開予定)の広報活動の一環。

 スタイリッシュな黒のスーツ姿の龍監督は、「日本でも性と麻薬の描写が問題になったので、韓国で公開できるとは思っていなかった」とし、「映画館に来て映画のポスターをじかに見て、やっと実感できた」と話した。

『東京デカダンス』は、村上龍が自分の小説『トパーズ』を原作に、1992年に撮影した作品。

 SMクラブで働く22歳の風俗嬢が主人公で、愛のないセックスにおぼれる現在の日本人の孤独な姿を描いたとの評価だ。
しかし、麻薬吸引や器具を使用した過激なセックスシーンなどが問題となり、日本でも数シーンカットされ公開された。

 2004年の第4次日本大衆文化許容措置以前には「上映資格」すらなく、過激シーンなどの理由で国内への輸入過程でも大きな論争を巻き起こした。


 いくつかのシーンをカットした後も、3度も制限上映可(等級外専用映画館上演)判定を受け、結局6分近いシーンをカットしてようやくR-18判定を受け、国内公開が可能になった。

 村上龍は、「審議による作品への干渉は賛成しないが、審議制度はどの国でもあるもの」とし、「公開自体に大きな意味がある」と話した。

 1952年、米軍空軍基地がある日本・長崎県佐世保に生まれた村上龍は、米国のヒッピー文化に触れながら育ち、高校時代にはロック・バンド活動や短編映画制作に夢中になったという。

 東京武蔵野美術大学を1年で中退し、1976年『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受け、華麗なる文壇デビューを果たした。

 「小説家村上龍」に比べ「映画監督村上龍」の名声がやや劣るのは事実だが、村上龍はデビュー作『限りなく…』をはじめ『だいじょうぶマイ・フレンド』(1983)、『ラッフルズホテル』(1989)、『KYOKO』(1995)など自身の原作小説をもとに5編の映画を撮影した。

 村上龍は「私の好きなキューバ音楽を素材とした映画を撮るというなら別だが、今のところは小説執筆に専念する計画」と話した。

「小説家としての才能を100をすると、映画監督としての才能はどの程度だと思うか」という意地悪な質問には少々とまどった様子だったが、「数字で表すのは難しいが、比べてみるのも面白い…、そうですね、70点ぐらいかな?」と苦笑した。

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