【青龍映画賞】主演男優賞候補発表「かつてない熱き戦い」

 今年のスクリーンはかつてないほど熱かった。

 ふてぶてしいナンパ男に挑戦したパク・ヘイル、少年院を出たボクサーリュ・スンボム、完璧主義のキラー李炳憲(イ・ビョンホン)、障害者のマラソンランナーチョ・スンウ、そして、恋人一筋の純情男ファン・ジョンミン、熾烈な戦いの末に絞られた今年の青龍映画賞主演男優賞候補の5人だ。<キム・イング記者clark@>


 『恋愛の目的』パク・ヘイル:ナンパ男に大変身

 パク・ヘイルは『恋愛の目的』で、これまでの純情男のイメージを打ち破り、大変身を遂げた。明るい微笑みが印象的だったパク・ヘイルが、大胆なセリフとふてぶてしい表情で“ナンパ”にすっかり夢中になった。目標はただ、美術高校の女子生徒ホン(カン・ヘジョン)を落とすこと。ベッドシーンよりずっと刺激的なセリフをさらりと言ってのける演技が好評を得た。『嫉妬は我が力』(2003年)で各種映画賞の新人賞を総ナメし、ついに青龍でも堂々と候補者に名を連ねた。


 『拳が泣く』リュ・スンボム:闘志に染まったスクリーン

 リュ・スンボムは『拳が泣く』で、徹底的に人生のどん底を演じきった。少年院を転々とする19歳のボクサーとして登場し、どん底の人生の苦悩と挫折、勇気と闘志を見せてくれた。殴り殴られ、倒れること数十回。ボクシングの専門家から絶賛されたというほど、リアルなアクションを完成した。1日4時間ずつ、1週間に5回以上過酷なまでに体を鍛え上げた結果だった。演技はもちろん、アクション演技まで兼ね備えた忠武路(チュンムロ)有望株の今後が期待される。


 『甘い人生』李炳憲:“李炳憲印”の殺し屋を誕生させた

 李炳憲(イ・ビョンホン)は『甘い人生』で演技の幅を一回り広げた。『JSA』(2000年)の悲運の兵長イ・スヒョク、『誰でも秘密はある』(2004年)のプレーボーイチェ・スヒョンを経て、ボスに忠実な殺し屋ソンウになって帰ってきた。演じるすべての役を自分の色に染めてしまうイ・ビョンホンは、今や誰の目から見ても完璧なプロである。最近では韓流をリードするスターとしても浮上している。今やイ・ビョンホンの目は世界に向いている。ハリウッドに進出するイ・ビョンホンを見る日も遠くなさそうだ。


 『マラソン』チョ・スンウ:全国民が泣いた“感動のランニング”

 チョ・スンウは、ミュージカルとスクリーンを自由自在に演じられる数少ない“オールマイティー役者”。今回は『マラソン』で、正面からホームランを飛ばした。今年上半期最高の話題作の原動力はチョ・スンウだったといえる。チョ・スンウが演じた障害を抱えたマラソンランナーは、実在の人物ペ・ヒョンジン君をモデルにしたとして多くの話題をさらった。どもったしゃべり方、不安な身振り、どれをとっても非の打ちようがなかったというのが評論家たちの一致した意見だ。パク・ヘイル、リュ・スンボムなどと並び、チョ・スンウはベテラン揃いの青龍映画賞に若い風を吹き込んだ。


 『君は僕の運命』ファン・ジョンミン:切ない純愛を“実感”

 ファン・ジョンミンは今年、助演から主演に格上げになった。最優秀作品候補に上った『君は僕の運命』と脚本賞候補に上った『私の生涯で最も美しい一週間』で、それぞれ純粋な田舎の青年と、荒っぽいけれど心の温かい刑事役を演じた。『甘い人生』では助演男優賞候補にも上っており、「ファン・ミンジョン全盛時代」が到来している。30代半ばで忠武路のブルーチップとして堂々とその地位を築いたファン・ジョンミン。果たして、ファン・ジョンミンの演技がどこまで光り輝くのか、関心が集まる。

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