【レビュー】悪法も法なり? キム・レウォン主演の『ミスターソクラテス』


 大変身を遂げたキム・レウォンに再度注目したくなる作品。

 テレビシリーズ『屋根裏部屋の猫』、ムン・グニョンと共演した『幼い新婦』(2004)などで太々しいが憎めない青春スターのイメージで支持されてきたキム・レウォンは、警察とヤクザという2つの組織の間で葛藤する熱血キャラを披露する。

 『ミスターソクラテス』(10日公開)のク・ドンヒョク(キム・レウォン)は、天下のごろつき。刑務所にいる父親(オ・クァンルク)を訪ねては金をせしめ、まとわりついて鬱陶しい警察には、覆面をして訪ねて行って殴り倒す。

 ある日、鈍器で殴られ連れて行かれたドンヒョクの目の前には、信じられない光景が広がっていた。
先生(カン・シニル)指導のもと、ドンヒョクは 殴られながら警察試験の準備を始める。


 組織のために警察のスパイになるという設定の香港ノアール『INFERNAL AFFAIRS 』がふと思い出されるが、『ミスター…』はノアールの悲壮美だけでなく、コメディーとスリラー、ホラーの快感まで交じえ、正体不明の混成ジャンルの一つを作り出す。

 昨年『時失里2km』がそうだったように、この異質的な要素が新たな亀裂を生み、衝突しながら奇異な魅力を醸し出す。

 「違法も法なり」と定義したソクラテスのように、『ミスターソクラテス』は「ただ法の通りに」と叫ぶキム・レウォンのキャラクターを比喩するために決められたタイトル。

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