韓流、次のターゲットは「現地化」 中華圏の人材育成へ


 アジア各国で巻き起こっている韓流ブームが第2段階目に突入した。大衆音楽界を中心にした新しい韓流ブームは、アジア各国の有望株を韓国の資本と技術で発掘・育成し、直接攻略するという方向に進んでいる。「韓流の未来」を見通した接近法だ。

 「韓国出身の国際的スター、ピ(Rain)のような歌手になることができれば何でもします。韓国に行くことを考えると興奮して夜も眠れません」

 中国・上海のメディアグループが主催した歌手志望者の競演番組で15週間1位になった今年20歳の青年Ryu Wei。4万人の中から選ばれたRyu Weiは、最近上海から韓国行きの飛行機に乗る日を心待ちにしている。憧れの「ピ(Rain)」が所属している韓国JYPエンターテインメント(以下JTP)で集中的な歌手としての訓練を受けることになっているため。JYPのホン・スンソン社長は「中国全域でJYPのブランド価値を高めることができる大切なチャンス」とした。

 ソウル・狎鴎亭(アックジョン)洞のあるマンション。“未来のスター”を夢見て1日5時間睡眠というハードな毎日を過ごしているのは西川省出身の歌手志望少女、張力尹(17)さん。昼間は平昌(ピョンチャン)洞の華橋学校で勉強をしているが、午後6時から午前1時まではSMエンターテインメント(以下SM)でボーカル、呼吸法、ダンスのトレーニングに加え韓国語の勉強までこなしている。年末頃中国と韓国で同時にアルバムを出す張力尹さんは、「ホイットニー・ヒューストンのような世界的な歌手になるため、韓国行きを選んだ」と話す。

 韓流を引っ張っていく外国人有望株は歌手が中心だ。SMが最近デビューさせた12人組グループ「スーパージュニア」。中国人メンバー韓耕の存在が目を引く。今年20歳の韓耕は、SMが2001年中国で行った大規模なオーディションで選ばれ、2年間余の練習を重ねてきた。韓耕は「幼い頃からカンタなど舞台の上の韓国人歌手に憧れてきた」という。

 JYPはより視野を広げた。新人開発チームが最近米州地域に住んでいるタイ、フィリピン、香港、日本人を対象にオーディションを行った。英語が堪能な有望株を発掘し、JYP所属の歌手として東アジアを舞台にデビューさせる計画だ。現在17歳のタイ・中国系米国人1人を選抜している。JYPのチェ・ヨンウク課長は「アジア全体を狙うことができるだけの人材」と自信を持っている。SMとJYPは来年、中国側と共に現地の有望株を選抜するオーディションプログラムをそれぞれ準備しているという。

 SMのハン・セミン海外事業総括理事は「西洋のポップスが主流だった韓国の大衆音楽市場がいつからか国内の歌謡曲中心に変わったように、中国圏市場もいつかは自国のスターの曲が好まれる時が来る」とし、「今後も韓流が続いていくためには現地化が必須」と話した。

 政府もこのような韓流の現地化戦略を積極的に支援している。韓国文化コンテンツ振興院は2002年から「輸出用音楽コンテンツ制作支援事業」によって、海外の現地歌手の曲を国内資本とマーケティングで制作することに取り組んでいる。アン・ソクジュン音楽産業チーム長は「これまではBoAのように国内アーチストと日本のマーケティングが結合したケースが多かったが、今後は中華圏の豊かな人的資源を韓国の企画力と資本で育てるケースが増えるだろう」と予測した。

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