低視聴率でも人気ドラマ? VOD利用急増で変わる視聴スタイル


 最近、MBCドラマ『秋の夕立』が今年最低のドラマ視聴率を記録、連日ニュースになっている。これに対して主演俳優への不満、不倫の美化、ドラマの進度が遅いなどの批判が相次いでいる。

 しかし、地上波テレビ局3社が同時間帯にドラマを放送しているだけに、視聴率だけで不振と判断するのは問題があるようだ。

 20日の放送で2.9%と8.4%の視聴率をそれぞれ記録したMBC『秋の夕立』とSBS『愛は奇跡が必要』は低視聴率を記録した。一方、43.1%(以上TNSメディアコリア全国基準)を記録したKBS第2テレビの『バラ色の人生』の主演女優は早くも年末の各種アワードでの受賞が予想されているほどだ。

 しかし、スターニュースが地上波局3社の協力を得て10~16日、各局ホームページで提供されているVOD(ビデオオンデマンド)サービスの利用状況を調査した結果、視聴率調査とは違うデータが明らかになった。

 同期間中にMBCのVODサービス利用件数は『秋の夕立』が1万6306件で2位を記録した。ちなみにMBCドラマの視聴率順位は『秘密男女』(12.2%)、『シンドン』(10.8%)、『裸足の青春』(9.3%)、『結婚しましょう』(7.6%)の順で『秋の夕立』は地上波3社のドラマチャートで20位にも入らなかった。


 SBS『愛は奇跡が必要』も同様にVOD利用件数が3位で現在SBSドラマ視聴率3位の『空よ』より多いVOD利用件数を記録した。

 こうした結果は『秋の夕立』と『愛は奇跡が必要』を不人気ドラマと断定するよりも地上波3社による同時間帯の視聴率争いでは敗れたドラマと判断することが出来る。

 つまり同じ理屈からすれば、50%の視聴率を超えたMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』(6~7月)の人気に押されたKBS第2テレビの『復活』(6~8月)や、SBS『野人時代』(2002年7月~2003年9月)の人気に押されたMBC『茶母』(2003年7~9月)、SBS『女人天下』(2001年2月~2002年7月)、低視聴率を記録した『商道』(2001年10月~2002年4月)など大ヒットドラマの人気に押されたドラマすべてに不人気ドラマの烙印が押されたことになる。

 SBS『オールイン』(2003年1~4月)と争ったMBC『雪だるま』(2003年1~3月)やKBS第2テレビ『海神』(2004年11月~2005年5月)に圧倒されたSBS 『香港エクスプレス』(2005年2~4月)、KBS第2テレビ『ごめん、愛してる』(2004年11~12月)ブームに敗れたMBC『英雄時代』(2004年7月~2005年3月)とSBS『ラブストーリー・イン・ハーバード』(2004年11月~2005年1月)も同じだ。

 『復活』と『茶母』は視聴率では敗れたが、共にマニアを量産するほどの人気を博し、『商道』もユニークな時代劇として好評を博した。『雪だるま』は巨大なスケールの『オールイン』とは違い、繊細な心理表現でマニアを魅了した。

 また『香港エクスプレス』は「車仁杓(チャ・インピョ)の怒り3種セット」という動画がネット上で人気となり、『ラブストーリー・イン・ハーバード』はキム・テヒというタレントをスターダムにのし上げたドラマだった。

 一年に放送されるドラマの数は地上波3局を合計して約50本。ドラマの種類も全16話からなるミニシリーズから全50話を超える大河ドラマに至るまで多様だ。こうしたドラマを制作するのに投じられる額は数十億ウォンから数百億ウォンで、出演者、作家、演出の苦労も多い。こうして作られていくドラマを視聴率が低いからと一言で不人気ドラマと断定してしまうのは如何なものかという指摘だ。

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