済州の郷土料理4選 素材の持ち味だけを生かした健康食


 済州(チェジュ)の料理の特徴は謙虚さ。料理人たちはテクニックを自慢したり技巧をこらすことをしない。材料自体の味と特徴を生かすのが済州料理だからだ。

<太刀魚のスープ>

 新鮮な太刀魚をズッキーニの葉でこすり、表面の銀色の皮を取り除いた後、6等分程度に切る。4切れ程度の太刀魚とズッキーニ、白菜と一緒にグツグツ煮る。太刀魚が煮えた後、赤唐辛子と青唐辛子を乗せたらそれで完成。あっさりした透明なスープが胸に染み渡る。生臭さは全くなく、淡白な味わいの太刀魚は、口の中に入れると雪のように溶けていく。

 済州市庁裏門にある「トラジ食堂」は済州の郷土料理食堂の中でも歴史が長い。太刀魚のスープ(7000ウォン/写真)のほかにも、済州道でしか食べられない料理がそろっている。(064)722-3142

<黒豚>

 「本当の黒豚を食べたい」と人づてに聞き、やっと探し出した食堂が「サムム公園フクセングイ」。しかし食堂の主人イ・ウォンホ(35)さんは済州の人ではなく、大邱(テグ)出身だった。若くして事業に失敗した後、済州に来たというイさんは、ここで黒豚を食べた後、「これならいける」と思い、店を出した。

 炭で焼いた黒豚をひとつ食べてみた。「気絶しそうに美味しでしょ?」と誇らしげな店主のイさん。自慢するだけのことはある。2日熟成させたという肉は、適当な歯ざわりとたっぷりした肉汁。脂はバターのように香ばしく、皮はシコシコしている。黒豚の炭焼き1人分9000ウォン(200グラム)(064)711-3901




<モムクッ>

 「モム」とは済州の人々がよく食べる海草だ。韓国味噌につけて食べたり、酸っぱくなったキムチに和えて食べるが、スープにしても美味しい。そのスープが「モムクッ」(6000ウォン)だ。

 スンデ(豚の腸詰)と豚肉をスープと共に石鍋に入れ、沸騰させた「モム」を加えて唐辛子の粉をかける。豚の腸詰と肉をさっぱりと食べることができ、豚とモムがお互いの味を引き立てる絶妙な味わいだ。30年間市庁の裏でモムクッを作っている「プジャジプ食堂」のイ・スンレ(65)さんは「モムクッはスンデ入りが一番美味しい」と話した。(064)722-5762

<鴨肉>

 鴨の肉は柔らかい。脂肪分は0%に近く、必須アミノ酸8種とオメガ6脂肪酸まで含まれている健康食だ。

 鴨が一番美味しく食べられるのはやはり「しゃぶしゃぶ」(1万2000ウォン)。薄く切った鴨の肉をさっと湯通してからレモン汁につけて食べる。テユランド「ウボウォン」では3万~5万ウォン色々な鴨料理がコースで食べられる。(064)738-0500


<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース