【インタビュー】アジアのポップスターに生まれ変わった「ピ」


「ジフ~ン、サランヘ(愛してる)!」

 9日午後9時、香港コンベンションセンターを一杯に埋め尽くした1万人のオーディエンスのほとんどは中国の人々だった。しかし、オーディエンスは2時間の最後まで韓国語だけで声援を送った。遥々海を渡ってやって来たピ(rain)のためにだった。

 「最近ではアルバム10万枚を売るにも難しいですが、私の公演を観るために10万人の人々がお金を払ったなんて…信じられません…」.

 目の前にはステージにいる時のワイルドなカリスマは陰も形もなく、あどけない表情をしたピが座っていた。しかし、彼の気持ちは力強い。

 「アジアのファンが私を韓流スターの一人として見るのなら、その時点で終わりだと思います。私を韓国のスターではなく、歌手のピとして見てもらえるように努力したいです」



―22日、中国で4万人余りの観客の前で公演をしなければならないが、今の心境は?

 「知り合いが外国に行って『ピを知ってますか?』と聞かれて『ピは韓国人です』と答えたという話しを聞いて胸が一杯になりました。4万人という数が私を圧倒します」

―アジアであなたがこれほどまで人気を集めているのは何故だと思うか?

 「やはりドラマ『フルハウス』の影響が大きいと思います。このドラマで私はダンス歌手の役を演じて実際の自分と重なって相乗効果を生んだようです」

―アジアという枠を超えたいとは思わないか?全米進出の予定は?

 「米国の大衆文化市場は徐々に縮小しています。中国を中心にアジアが急浮上しているのでは?アジアで認められれば全米進出も自然にクリア出来ると思います」



―香港で2日間コンサートを観たが、英語のMCがまったく同じだったが。暗記したのか?

 「公演直前まで何度も覚えました。何でも自信があるのですが、英語だけはダメです。英語と日本語を毎日1時間ずつ勉強しています。英語さえマスターすればアジアの多くの国で自由自在に話せると思うのですが…。観客とスムーズにコミュニケーション出来なくて悔しいです」

―自らテレビなどで一重の小さな目を戯画化することが多いが。コンプレックスなのか?

 「いや、それはありません。私は二重じゃなかったので成功したのだと思います。いくら醜くても人それぞれの魅力があるものです。デビュー前に10社以上のオーディションを受けてすべて落ちましたが、何度か二重の手術をしたら合格させると言われたこともありました。今だから話しますが一度病院に行ってお医者さんから『手術した瞬間、君の魅力は消える』と言われて自分だけの魅力を磨くことにしました」

 ピにとって2000年に死別した母親は一日3時間の睡眠でも前進できるようにしてくれる生きる原動力だ。ピが中学2年生の時、父親の事業が失敗した後、経済的に苦しくなり、糖尿病の治療を受けることができずに亡くなった。ピは「自分が頑張れるのは母親のおかげ。母は私のすべて」と話す。



―貧しさが今のあなたにどんな影響を与えたか?

 「お金がなくて母の病気を治療することができませんでした。なのに、どうやったら派手な生活ができるというのですか?ただ仕事だけに専念しています」

―ステージに立つ時の気持ちは?

 「歌手は公演をする時、演技もしなければなりません。表情一つにも振付があると思います。1分1秒たりとも観客の目を逸らせないマイケル・ジャクソンのようなステージにしたいです。それには、まだまだ道は遠いです」

―荒い呼吸、服を引き裂くパフォーマンスなど、ステージで男性美を必要以上にアピールしているという指摘もあるが。

 「強力なカリスマで観客を釘付けにさせるためです。公演の起承転結のための過程の一部とでも見てほしいです」

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