ケーブルテレビ局が続々と自社ドラマ制作


 今月2日、仁川の(インチョン)の某スタジオ。メインカメラ1台と補助カメラ1台をはじめ、約40人の制作陣が参加した中、主人公が女性にしつこくするシーンを撮影している。

 ドラマはしかしKBSやMBC、SBSといった地上波では放送されない。このドラマは衛星DMB事業者の依頼で外注制作会社「チョロッベム・メディア」が撮影しているものだ。

 韓流の主力商品であるドラマはすでに地上波だけの専有物ではない。スタート10年目を迎えたケーブル局が続々とドラマ制作を始め、衛星DMB事業者のTUメディアも自社チャンネルを通じてシチュエーション・コメディなどを放送している。

▲ドラマを直接制作

 OCNは11月の放送を目標に全8話のドラマ『家族恋愛史』と全5話のドラマ『コマ』を制作中だ。ケーブル局が作るからと見下してはいけない。外注制作会社に依頼して制作するドラマ制作費は地上波番組にも劣らない。 『コマ』には25億ウォン、『家族恋愛史』には10億ウォンが投じられた。

 特にテレビ映画を目標に掲げた『コマ』1本あたりの制作費は5億ウォンで、規模的には地上波の1億~2億ウォンを軽く上回る。ケーブル局がドラマにこうした巨額を投じる理由はなぜだろうか?

 オンメディアのイ・ヨンギュンチーム長は「視聴者を集めることが出来る映画がなく、直接制作する方法を選んだ。初期にチャンネルをブランド化するために思い切った投資をしている」と語った。TUメディアも20分、全52話の『yap』と一日36回放送される1分ドラマ『1Minute』などを制作している。

 外国映画や地上波ドラマの二番煎じに過ぎなかったニューメディアが、大規模な資本とノウハウが投入されるドラマ制作に参入したのは、それだけ市場規模が大きくなったことを意味する。ニューメディア業界は現在を過渡期と見て、チャンネル認知度を高めるために賢明になっている。韓流ブームによって追加的に付加価置を新たに作ることが出来る道も開けた。

▲ケーブルは新しい強者として君臨できるか?

 地上波の力はドラマにある。地上波局はドラマ視聴率で広告を誘致し、強力な影響力を行使する。これまで地上波局と外注制作社の間にトラブルが絶えないのも力の絶対的「優位」が存在したからだ。最近ではケーブル局と外注制作社間にもこうしたトラブルがある。

 最近、大手ケーブル局とドラマ制作を企画して中止の知らせを受けたA社の関係者は「急に企画が取り消しされてしまえば、それまで信用して仕事を進めてきた私たちのような制作会社としては困難にならざる得ない」と言う。

 B社も約4回分を事前に制作してからフィルム代だけを受け取って途中で制作が中止されたと言う。

 専門家たちの間では「ケーブル局の規模が大きくなり、外注制作会社に優越的な地位を濫用する悪い習慣から先ず学ぶべき」といった懸念もされている。

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