釜山で熾烈な映画宣伝合戦 勝つのはどっち?


毎年この時期になると、釜山(プサン)は“忠武路(チュンムロ/韓国映画界の中心地)”になる。

 10回目を迎える今年の映画祭は史上最大規模になり、短期間で最大の宣伝効果を得るチャンスとして映画祭を活用しようとする映画会社が、釜山の南浦(ナムポ)洞や海雲台(ヘウンデ)で社運をかけた宣伝戦を繰り広げている。

 特に関心を呼んでいるのは、韓国映画として記録的な制作費を投入した超大作『タイフーン』(主演チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ)、『野獣』(主演クォン・サンウ、ユ・ジテ)、『青燕』(主演チャン・ジンヨン、キム・ジュヒョク)の機先を制する戦い。

  この3編の映画はすべて、ピーター・ジャクソンの『キングコング』や『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』と12月中旬に同時公開される予定であるうえ、CJエンターテインメント、ショーボックス、コリアピクチャーズなど国内の代表的な配給会社が全面対決を展開する構図になっており、一歩も譲れない状況だ。

  3つの作品は、海雲台で1日置きに『タイフーンの夜』(10日)、『野獣の夜』(11日)、『青燕の夜』(12日)イベントを大々的に行い、3つ巴の戦いをくりひろげている。

  これらイベントは、未公開のハイライトシーンを上映し、主演のスターたちの登場で雰囲気を盛り上げる。

  ショーボックスのキム・テソン部長は、『野獣』は韓流スターが主演する作品で、日本、中国などアジアの映画人が数多く集まる釜山映画祭が宣伝に最もふさわしい場所」と話した。



 3つの映画の宣伝会社は多様なイベントを企画し、観客との“スキンシップ”を狙う。

  『青燕』は時代設定が日本植民地時代という作品の特色を生かし、海雲台や南浦洞の日本酒屋を中心に、独特のマーケティングに乗り出した。

  清酒に“青燕酒”というラベルを貼って販売し、酒屋に主演俳優の“イメージ・フォトゾーン”を設置し、観客が記念写真を撮影できるようにした。

  奇抜なアイデアは他の映画の宣伝にも続々と現れている。

  70年代を背景にした映画『愛してるよ、マルスンさん』は、南浦洞の街でトウモロコシとチラシ一緒に配った。

  渤海時代を扱った映画『無影剣』は、宣伝要員が劇中の武士の衣装を着て南浦洞を闊歩し、映画『サンデー・ソウル』は劇中のキャラクターである狼人間、少女の幽霊などが街角でドッキリ宣伝を行った。

  閉幕作品のメリットを十分に生かし、閉幕前夜にイベントを行う映画『私の結婚遠征記』、劇中のシーンに合わせ、キャバレー風にセットした催事場で制作報告会を行う映画『少年、天国に行く』など、多くの映画祭出展作品が釜山で独特なイベントを企画した。

  『野獣』の宣伝会社オルデッシネマのキム・ジンヨン室長は、「首都圏中心に行われてきた以前とは異なり、次第に地方マーケティングが重要になっているなか、今年の釜山映画祭は逃すことのできないチャンス」と説明した。

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