『私の生涯で最も美しい一週間』で等身大の熱演したユン・ジンソ


 ユン・ジンソ(22)はゆらゆらと揺れる白いブラウスを着ているようだった。

  『スーパースターカム・サヨン』で一人チケット売り場を守ったウナのように清楚に、あるいは『オールド・ボーイ』で橋の手すりにぶら下げられていたスアのように心細く。

 しかし、インタビュー場所に訪れた時のスタイルはTシャツの上に大きなカーキ色のジャンパーを着ていた。おかっぱ頭をしてきょとんと周囲を見回す彼女。7日に公開された『私の生涯で最も美しい一週間』でシスターを志すスギョン役として多くの出演者の中で最も印象的なキャラクターを演じたユン・ジンソだ。何かあるような神秘的なイメージで出演の度に目立って見えた彼女。


 「確かにそうですね。『神秘的だ』『まったく理解できない』…そんな話をよく聞きます。今度の映画のミン・ギュドン監督は私に『君こそがスギョンにぴったりだ!演技する必要はない!』と言われました。初めから私を念頭に置いてシナリオを書かれたそうです。私の本名もスギョンですしね」

 スギョンは片思いするアイドルスターを眺めながら、よだれを流し、病院に運ばれた彼のズボンの中に手を入れて「ここは大丈夫ね」とつぶやく、どこかネジが緩んだような少しずれた女だ。それでもユン・ジンソはスギョン役を心から気に入っているようだ。


 「毎回70~80年代の清純で哀れな役ばかり演じてきました。今回は患者役なのでとてもおもしろかったです。ずっと裸足でいたのも私のアイデアです」

 そんな彼女が旅行よりも興奮するものがある、それは映画だ。子どもの頃から週末になればビデオを3本ずつレンタルしてきて見ていた。

 「私は何か一つのことに没頭すると、完全にのめり込むタイプです。映画を見終わると現実にぽつんと置いていかれたような気がして直ぐに別の映画を見たりしました。釜山(プサン)国際映画祭に行って一日に5本の映画を見たこともあります」


 最近でもユン・ジンソは深夜3時に帰宅して6時にまた家を出なければならない状況でも映画を見ると言う。特に好きなのはフランス映画。『オールド・ボーイ』のエロティックな科学室でのシーンを何の違和感もなしに演じたのもフランス映画を多く見た影響だと言う。

 「正体不明の神秘さでいつまで本性を隠すつもりなのか」と問うと、ユン・ジンソは「ずっと隠してこそ演技を続けることが出来るようです」とくすくすと笑った。そして優雅なスカイブルーのドレスに着替え、光が差し込む窓辺の方に体を移した。素知らぬ顔をしながら。

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