映画&ドラマで「真実の愛」を熱演 女優チョン・ドヨン


 自他が認める韓国のトップ女優、全度研(チョン・ドヨン、32)は数か月前まで悲しみに暮れていた。

 「2~3年の間、大作映画や男性俳優メインの映画ばかりが注目され、女優はスクリーンで華に過ぎなかった。女優の観客動員力はこれほどまで弱いのか?」

 ここ数年、女優チョン・ドヨンは常に発展してきたが、不思議にも興行的なパワーはなかった。

 しかし、今はどうか?完全に勢いを取り戻した。この9月にチェコのプラハに向かい、世の中は再びチョン・ドヨンに関心を寄せるようになった。2年半ぶりのドラマ復帰作『プラハの恋人』は初回から視聴率20%を超え、映画『君は僕の運命』はボックスオフィスの1位を独走している。4日夜、『プラハの恋人』 の徹夜ロケを控えてシナリオを手にしっかりと握っていた彼女にインタビューした。



「ドラマの人気はもう少し様子を見たいと思います」

 劇中ジェヒは大統領の娘であると同時に外交官でもある。しかし、行動はこの肩書きからは想像が出来ない。何も取り得のない刑事のサンヒョン(キム・ジュヒョク)にすっかりはまり、刑事たちとカラオケで演歌を歌い、屋台で酔っ払ってボディガードに背負われて家に帰るのは日常茶飯事。

 「最高権力者の娘という身分に対する幻想は私も他人と同じ」と言いながら 「その分、人々が非現実的な人物と思う可能性のあることのすべてを捨てて恋愛にすべてを賭けるキャラクターを作っていっている」と語った。「実際の本人はどうか?」と聞くと、「条件ではなく人間性と愛があるかが重要」と答えながらも「それでも賢くなくちゃね」と笑う。

 韓国ドラマの宿命である三角関係は『プラハの恋人』でも同じ。ジェヒには富も名声もある。しかし、それに釣り合わない純情派の検事ヨンウ(キム・ミンジュン)がいる。

 「個人的には賢いサンヒョンより一途なヨンウにもっと点数をあげたいです。それでも一番ときめいた場面がマラソン大会の時に突然サンヒョンが現われて靴紐を結んでくれた時なので私も迷っちゃいます」

 チョン・ドヨンは「映画を中心に出演するようになってから、お茶の間から遠く離れて行くようで怖かった」と言う。

 「ある日テレビを点けたら7歳くらいの子が私の声真似をしているんです。急に『この子は私の顔を分かってやっているのだろうか』と思ってしまったんです。すぐに憶えてすぐに忘れるお茶の間で私はどれくらい身近な女優なのか疑問に思いました」

 それで彼女はドラマに戻って来た。



 97年の『接続』以降、代表的な演技派女優としてトップを走ってきたチョン・ドヨン。自分の長所を挙げるのも躊躇いはない。「急の判断が出来て、焦らず、周りから最高と言われた時ほど真に受けず努力するのが私の長所です。生まれつき楽することが出来ません」

 人生のモットーは「愛」だ。「いくら見て、聞いても飽きないのが愛。だから恋愛映画が好き」。映画『血も涙もなく』も恋愛映画だと強調する。

 「トクプル(チョン・ジェヨン)が死ぬ直前、スジン(チョン・ドヨン)に『俺のことがそんなに嫌か?このアマ』と言うシナリオを見て涙が流れてきました。そんなラブストーリーに衝撃を受けました」

 ならば『君は僕の運命』で地方に住む中年独身男性ソクチュン(ファン・ジョンミン)の純朴と切迫した愛は、それ以上に特別なはずだ。「一途な気持ちを実感できること自体が幸せです。それが目に見えて感じられるのに、誰がその愛情を嫌がるでしょうか?」

 大統領の娘とエイズの喫茶店ウェイトレス(『君は僕の運命』のウナ)。両極端なキャラクターのようだが彼女にとってはまったく変わらない。「真実の愛を知る女性」だからだ。ただウナは心の傷が多くて恋に臆病で、ジェヒは恋を目の前にして躊躇しないという違いがあるだけだ。

 「もう32にもなったのに、そんなに幼く見えますか?」と凉しい笑顔が返ってくる。「額が広いから、そう見えるんでしょうね」。もう一つの秘訣は一日2~4時間、ジムで汗を流すこと。週に一度は父親と北漢山(プッカンサン)へ登山に行くことも欠かさない。

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