あまりにも自分勝手な4人の主人公たち ドラマ『ウェディング』  


 ハン・スンウ(リュ・シウォン)、シン・ユンス(ミョン・セビン)、イ・セナ(チャン・ナラ)、ソ・ジニ(イ・ヒョヌ)。

 KBSの人気ドラマ『ウェデング』に出演している4人は確かに善人たちだ。他人の考えを認め、他人に同調しながら自分の判断ができ、このドラマ全体のトーンが美しい理由でもある。

 スンウはセナが好きだから無理してもピンクのTシャツを着て、義父が買ってくれた車ももらった。傷つきやすいユンスはただスンウが成功することだけを願い、ジニは鬱気味になっても黙々とノートパソコンに向かい、ユンスとスンウの対話が分からない振りをする。自分が世界で一番かわいいと思っているセナは言うまでもない。

 しかし、これがすべてだろうか?

 3日の第11話で彼らが口癖のように発した言葉は「頼むから理解してくれ」「何とかしてくれ」だった。スンウとユンスがいくら幼馴染で家族同然といっても、それだからセナも受け入れようと努力するのであって、結婚した妻の前でしつこく「ユンスは家族だ」と繰り返すスンウは一体何を考えているのか。それでも「理解してくれ」と言うのか?

 ユンスも同じだ。何と言おうとスンウは既婚者であって友だちだからとばかり言っていたら、いったいセナはなぜ結婚したのか?傷つくのはひたすら自分だけだと?先生が倒れて急を要する状況だったとはいえ、結婚した男が心に抱いていることをセナが見たとしたら、最低限その一部始終は説明すべきではないか?

 スンウとユンスだけではない。二人の関係を他人に知らせ、それ相当の辛さを自ら味わった。それは誉められるべき勇気であり、潔さでもある。


 いつ明かされるかと思っていたが、11話の最後の場面で遂にジニとセナの関係も暴露された。完全なる戦勢の逆転だ。1999年という日付がくっきりと刻まれた二人が仲良く並ぶ一枚の写真。そして家に入って来たセナの「ソ・ジニさん、何のご用ですか?」という嬉しそうな口調…。ハッキリと言わせてもらえば「もっと悪いのは君だ!」

 3日にヨーロッパから一緒に送ったものが何か大きな罪だったのか?ある意味そうだとも言える。重要なのはスンウとユンスのように今でもつながっている感情だ。しかし、自分の考えでも他意でも、意図しようとしまいと、二人の黙秘権は残り二人を傷つけるという点で、結局はこういうことになる。

 「私がしたことはロマンスで、他人がすることは不倫だ」

 「私は許されることができるけど、あなたは絶対ダメ」

 すでにドラマの流れは変わった。自分たちの友情によって人を苦しませたスンウとユンス、何もなかったとも言える過去のために、他人に裏切りの感情ばかりを抱かせるジニとセナ。それぞれのパートナーの固い友情のために苦しんだジニとセナ、「自分が守るべき人」から逆に「苦しめられる人」になったスンウとユンスへと…。

 自分自身のことばかり考え、甘やかそうとした4人が徐々に成熟していく姿を描くのがこのドラマの意図だろう。しかし、そうするには自分たちによる傷があまりにも深い。スンウ、ユンス、ジナ、セナ。すべてが悪人ではないだけに、その傷はさらに深くなる。

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