映画『四月の雪』をめぐりネット上で熱い論戦


 映画『四月の雪』の韓国での興行成績が惨敗か否かをめぐって議論が巻き起こっている。

 聯合ニュースは1日、「記者手帳『四月の雪』、果して国内で惨敗したのか」というタイトルの記事を報じた。聯合ニュースのこの記事はポータルサイト「ネイバー」のニュースに掲載され、2日までに約1100件の記事に対する書き込みが寄せられるなど、ネット上で熱い論戦が交わされている。聯合ニュースは9月19日、「『四月の雪』韓国では惨敗、日本では大ヒット」という記事を掲載している。

 以下は聯合ニュースの記事内容。

 ペ・ヨンジュン主演の『四月の雪』が海外では好評を得る一方、韓国では苦戦を強いられているという見方が支配的だ。その見方は『四月の雪』そのものよりも、まるでペ・ヨンジュンが韓国では惨敗して海外では大人気を集めているように思われる。ここに疑問を投げかけてみる。もしかしたら、私たちはこの映画を色眼鏡で見ているのではないだろうか。

 もちろん絶対的な数値では前出の前提が当てはまる。『四月の雪』は端的に日本では公開12日目で100万人の観客動員を突破したが、韓国では公開24日目の9月30日までに全国で約81万人の観客動員を記録している。1日現在、韓国内でのスクリーン数は減少しているため、81万人が『四月の雪』の最終スコアとなる見込みだ。このため「韓国惨敗、日本大ヒット」という声が聞かれる。

 しかし、ここで指摘したい点が2つある。一つは『四月の雪』はペ・ヨンジュンの出演作という以前に許秦豪(ホ・ジノ)監督の作品という点だ。『八月のクリスマス』と『春の日は過ぎゆく』を通じて韓国の恋愛映画界で独自のスタイルを確固にしている存在感ある監督の作品という点だ。もう一つはホ監督が今まで興行成績を狙うような監督ではなかったという点だ。

 韓国の映画ファンの脳裏に『八月のクリスマス』(1998)は韓国純愛映画の新しいスタイルを切り拓いたというイメージがある。『春の日は過ぎゆく』(2001)も賛否両論を巻き起こしたが、『四月の雪』と比較すれば遥かに温かな反応を得た。その上、2本の映画共にR-18指定の『四月の雪』よりも有利なR-15指定で公開された。さらに重要なことがある。それは韓石圭(ハン・ソッキュ)と沈銀河(シム・ウナ)、李英愛(イ・ヨンエ)と劉智泰(ユ・ジテ)という当時、最高の人気を誇った俳優と女優が主演したのだ。

 しかし、両映画共に全国で80万人の観客を動員した『四月の雪』とほぼ同じレベルだった。ある人はこう言うかも知れない。スクリーン数が違うと。しかし『春の日は過ぎゆく』も秋夕(チュソク、旧盆)連休の公開だった。

 結局こうしたデータを見る限り『四月の雪』は「ホ・ジノスタイル」の特徴や限界を再び見せた作品になる。ホ監督は再び独特の純愛映画を手がけて今までと同じように観客を集めたのだ。ある意味、こうした限界を承知の上で出発した作品だった。

 ところが、おかしなことに『四月の雪』は韓国でもホ監督よりペ・ヨンジュンにフォーカスが合わせられている。ヨン様と呼ばれて人気の日本ではないにもかかわらずだ。『四月の雪』が海外で大きく話題になっているのは、明らかにヨン様のお陰だが、少なくとも韓国では『四月の雪』のペ・ヨンジュンは『八月のクリスマスの』ハン・ソッキュとシム・ウナ、『春の日は過ぎゆく』のイ・ヨンエとユ・ジテと同レベルであるということだ。彼らを凌ぐようなスーパースターではない。

 このため『四月の雪』が国内で惨敗したという視線と共にそれがまるでペ・ヨンジュンに対する国内外ファンの好みの違いから始まったことに追いやるのは危険に見える。特にペ・ヨンジュンが出演したにもかかわらず韓国で興行成績が芳しくなかったという視線で見ることは、ただの嫌味にも映る。

 もちろん韓国の観客にとっては主人公のキャラクターがペ・ヨンジュンという韓流スターのイメージとオーバーラップして作品自体に集中できない可能性もある。ペ・ヨンジュンのことが知られていないトロント映画祭などで『四月の雪』の反応が良かったのもその良い証拠だ。しかし、それでもペ・ヨンジュンではない他の俳優が『四月の雪』に出演していたら韓国での興行成績はずっと良かったと誰が言えるだろうか。

 『四月の雪』の日本での興行成績は事実そのものだ。日本ではうまくいったのだ。同じように他のアジアの国々でも『四月の雪』は現地で公開された韓国映画史上最高の興行成績を記録して善戦している。韓国の映画界と映画ファンはこれを誇りに思ってよいだろう。観客動員で多少期待以下の成績を記録したといっても、誤った基準で一本の韓国映画とスターをけなす必要はない。韓国で純愛映画が80万人の観客を動員しながら「惨敗」と話すことではなかった。

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