【レビュー】ヤクザコメディの公式に従順 『家門の危機 家門の栄光2』


 「決心する」という言葉の使い方を知りたいって?秋夕(チュソク、旧盆)連休のヒットを狙うコメディ『家門の危機』を観ればその答えが見付かる。

 その中には決心して演じるヤクザアクション、決心して言い放つ性的ジョーク、決心して真似たヒットの公式、そして決心して捨てた制作陣の恥まで、最初から最後まで一貫する「決心」という言葉の意味を見つけることが出来るだろう。

 全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)の暴力団「百虎組」の女組長ホン・ドクジャ(キム・スミ)は一か月後には還暦を迎えるが夜も寝られない。

 ソウルに進出した長男チャン・インジェ(シン・ヒョンジュン)が女性にまったく興味がないからだ。女組長は恋愛上手の次男のギョンジェ(タク・チェフン)と三男のギョンジェ(イム・ヒョンジュン)を説得して「自分の兄を助けなさい」と上京させる。

 そして奇跡が起る。不慮の事故でこの世を去ったインジェの昔の恋人に似たジンギョン(キム・ウォニ)が現われるのだ。しかし、運命は冷酷にも暴力団の後継ぎが見初めた女性はソウル地検強力部(凶悪犯罪専門部署)の検事だった。

 70年代ファッションとマンガの一場面を思い出させるシン・ヒョンジュンとキム・ウォニの愉快な初恋エピソードは、この映画の中でも例外的に見られるピュアな部分。しかし、前編『家門の栄光』が記録した520万人の観客動員を超える目標で制作された『家門の危機』は「ヤクザコメディー」と呼ばれるこのジャンルが持つヒットの公式を必死に繰り返している。

 女優は徹底して自分を捨て(キム・ウォニは麻酔で朦朧となった体で汚水に飛び込み、バストアップブラを着けていることが暴露される)、きつい方言の猥談やセクハラは常に登場する。

 そして後半では笑いを脅迫される。『家門の危機』は2時間にわたって「これでも本当に笑わないのか?」と観客を終始一貫して脅迫する。自分でも知らずのうちに笑っているが、ふと気付くと自分がおかしく思えていた。

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