細部にまでこだわったイ・ビョンフン監督の新作ドラマ『薯童謡』


 「170種類の色相対照表を作って服の色を選びました。衣装テストも3回やりました。最高の美しさを画面で確認することが出来るはずです」

 先月29日、忠清南道(チュンチョンナムド)扶余(プヨ)郡のカファ貯水地のドラマセットで行われたSBSテレビの新大河ドラマ『薯童謡』の制作発表会。出演者たちが着ている百済の衣装を一人ずつ説明するイ・ビョンフン(李丙勳)監督の目は強い自信に溢れていた。服一着、音楽一曲にまで注いだ細かいこだわりも視線から強く感じられた。

 5日の午後9時55分からスタートする『薯童謡』はソドン(薯童)とソンファ(善花)姫の愛と百済武王の波乱万丈の人生を描く作品。これまで時代劇で扱われることの少なかった「百済」を舞台にしているのが異彩を放っている。

 さらに関心を集めているのは、中国や日本で人気のドラマ『大長今』(日本タイトル『宮廷女官チャングムの誓い』)のイ・ビョンフン監督とキム・ヨンヒョン作家が再びタッグを組んだ作品であるため。


 制作発表会でキム作家はドラマの視聴ポイントとして3つを挙げた。『ロミオとジュリエット』よりも劇的なソドンとソンファ姫の愛、権力争いをせずに王の座についたソドンのサクセスストーリー、現代科学文明を投映させた百済の技術、ロマンスと科学、歴史を交えて有益な感動を与えるという内容だ。

 『大長今』で楽しさやインパクトを与える要素となった宮廷料理や医術が今度は百済の博士制度や技術に変わる。そして主人公のラブストーリーはさらに比重が増す。

 イ監督は「『大長今』で長今(チャングム)と閔政浩(ミン・ジョンホ)のラブストーリーをうまく生かすことが出来なかったのが残念だった。ソンファ姫とソドンの二人はハッピーエンドであるだけに出番も多い」と語った。

 ソドンにはチョ・ヒョンジェ(趙現宰)、ソンファ姫にはイ・ボヨンがキャスティングされた。「韓流ブームでスターの出演料がとても上がりました。素晴らしい俳優はドラマでの描かれ方次第だと思います」。『大長今』のイ・ヨンエ(李英愛)に比べ、主演のスター度が落ちるのではという指摘に対するイ監督の答えだ。

 「生きた百済史」を再現するために、それぞれ60冊と100冊の本を読んでから今回のドラマに臨んだというイ監督とキム作家。二人のコンビプレーが中国や日本にまで届く連続場外ホームランになるか注目される。

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