【コラム】日本のヨン様フィーバーに思う


 昨日の東京・有楽町でのヨン様フィーバーを見て非常に驚いた。ペ・ヨンジュンが昨年11月に訪日した時に負けず劣らない熱気だった。

 その上、日本が9月11日の総選挙を控えている点を考えれば非常に驚くべきことだ。総選挙の熱気にも劣らず日本のファンはペ・ヨンジュンに対して変わらない声援を送っているのだ。『冬のソナタ』が日本で終了してから1年になるにも関わらずだ。いくら人気がある俳優でもドラマが終了すれば関心がすぐ冷めてしまう韓国とはあまりにも対照的な姿を日本のファンは見せている。

 8月23日、ソウル市内のシネマコンプレックス「メガボックスCOEX」で行われた『外出』(日本タイトル『四月の雪』)のプレミア試写会に行った。もちろんこのイベントも韓国内では比較的多くの話題と関心を呼んだものの日本ほどではなかった。私はこの日、VIP試写会の最終回に参加した。午後9時30分頃、ペ・ヨンジュンがその日の最後の舞台あいさつを行った。

 約700席ある会場は完全には埋まらなかった。ファンやメディア向けの試写会ではなかったためかも知れないが、ペ・ヨンジュンの登場にも熱い歓声というより、遠慮がちな拍手が送られるだけだった。

 同日午後、COEXのメガボックスには報道陣や一部の日本、中華圏からのファンが陣取るだけで、韓国のファンらしき人はあまり見当たらなかった。

 ペ・ヨンジュンの新作映画に対する期待がとても大きかったせいだろうか。韓国では記者試写会に対する反応も今一つだった。映画会社側も「韓国公開では体面さえ繕えばいい。どうせ大きな期待しない」といった話しを非公式的にするほどだ。韓国の記者たちも概して映画には失望したという評価だった。

 日本や中華圏などでペ・ヨンジュンに対するこれほどの関心や声援がなかったら韓国ではそんなに関心を集めることが出来ない映画だったかも知れないという考えさえした。

 逆にこの映画に対する海外メディアの評価は対照的だった。今朝、日本のテレビでは「本当にすばらしい」「今までの韓国ドラマとは違い、まるでフランス映画のようだ」といった話しがされた。同じ映画に対してこれほどまで対照的な反応が出るだろうか。韓日両国の観客の情緒の違いを実感した。ふたを開けてみなければ分からないが、『四月の雪』に対する韓日両国の興行成績や観客の反応も大きな関心事だ。

そういった意味から、私は韓国人と日本人の感性には差があると信じている。今回の映画『四月の雪』は日本の観客に相当好評を得るのではないかと、個人的には見込んでいる。ドラマ『冬のソナタ』が韓国よりも日本で大好評を得たことがその根拠だ。

昨日、有楽町に集まった約1万人のファンとペ・ヨンジュンに対してこれといった高い関心を示さなかったCOEXの観客がオーバーラップした。アジアの大スターになったとは言え、実際に本国ではその真価を完全に認められないペ・ヨンジュン。そこに彼のもう一つの悩みがあると思えた。

林正郁(イム・ジョンウク) 朝鮮日報JNS 代表 

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