韓国映画3本が異例の大ヒット 観客数818万人


 韓国映画3本が異例の大ヒットを記録している。

 1週間おきに相次いで封切りされた映画『親切なグムジャさん』(7月28日)、『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』(8月4日)、『拍手する時に去れ』(8月11日)の3本が、今月17日までに動員した観客数は818万人。

 映画配給会社各社の予測を総合すると、早ければ今週末、遅くとも来週初めには1000万人の観客動員を達成するといわれている。

 『太極旗を翻して』(日本題:『ブラザーフッド』)や『シルミド/SILMIDO』などのように、1つの作品での“一発成果”ではなく、ファンタジー、ミステリーといった互いに異なるジャンルの韓国映画3本が4週間で挙げた共同成果という点について、映画界はこれを“忠武路(チュンムロ)の腰を再確認する肯定的な現象”とみている。

 経営危機、スターの権力論争、ハリウッドの超大作の攻勢などといった危機的状況で今年7月に32%まで急低迷した韓国映画観客占有率は、8月15日現在、その2倍の64%(CGV集計の月別統計)に急上昇した。

 しかし、数値よりももっと重要なのは、これら映画がスタイル、ドラマ性、そしてスペクタクルといった点で今年最高水準の“ウエルメイド映画”だということだ。似たり寄ったりなトレンド企画映画のデパート式な羅列ではなく、互いに異なる色と模様を持つ映画を選べるという点で、観客も“うれしい悩み”に酔いしれている。

 とりわけ最も多くの観客から愛されている作品は、新人のパク・グァンヒョン監督の演出で、チョン・ジェヨン、申河均(シン・ハギュン)、カン・ヘジョン、林河龍(イム・ハリョン)が主演する『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』。

 17日までに367万人の観客を動員して、1週間先に上映開始した『親切なグムジャさん』の興行成績を追い抜いた同映画は、今週末まで3週連続のボックスオフィス1位が確実視されている。韓国戦争という悲劇的な素材に笑いと感動を混ぜ合わせたこのファンタジー映画は、普段は映画館で映画を見ることのなかった40代以上の中年層や子どもなどのファミリー観客を呼び入れており、今月末ごろには『マラソン』(518万人)が持つ今年最高記録を更新するものとみられる。

 朴賛郁(パク・チャンウク)監督映画『親切なグムジャさん』は、映画を見た観客の感想はまちまちだが、支持するしないに関係なく韓国映画で“監督のブランド化”が最も顕著に現れた面白いケースという意味でも評されている。

 今年の韓国映画で唯一ベネチア国際映画祭本戦に出品された『親切なグムジャさん』は、映画祭開催期間中も現在の興行旋風を続けさせる計画だ。もう1人のスター監督、張鎮(チャン・ジン)監督の『拍手する時に去れ』もまた、これまで韓国映画としては少なかったミステリー映画の中に“テレビ生中継”という斬新なアイディアを取り入れ、新たな領域を開拓したと評価されている。

 映画評論家のシム・ヨンソプ氏は、「韓国映画がこれまでになく懸念されていた時期にこのような知らせが届いて大変うれしい。『シルミド』などの超大型作品にも意味はあるが、3本での合計1000万人突破という記録は、韓国映画の腰を強くした現象という点で非常に望ましいことだ」と話した。

 また、中堅の制作会社LJフィルムのイ・スンジェ代表は、「軽いコメディーやトレンド映画ではなく、2002年以降続いた“ウエルメイド商業映画”の流れをくんでいる作品という点で意味がある。似通った映画同士が互いにかじりあったのではなく、ジャンルがはっきりと分かれた映画が相互にシナジー効果を発揮した」と評価した

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