【撮影現場を行く】『ミスターソクラテス』で真の男になったキム・レウォン


 これからはただのイケメンではない。タフガイだ。

 更に言えば悪質のチンピラだ。

 最近、映画『ミスターソクラテス』(チェ・ジノォン監督、カレッジフィルム制作)の忠清北道(チュンチョンプッド)・提川(ジェチョン)の撮影現場でインタビューしたキム・レウォン。

 顔からは血が流れ落ち、片目は腫れ上がっていた。弟ク・ドンピル(ホ・ジョンミン)を救うために単独で乗り込んだク・ドンヒョク(キム・レウォン)がチョ弁護士(ユン・テヨン)一味に殴ぐられるシーンを撮影していた。


 8日にクランクインしたが、苦労は尽きなかった。最近には提川で50対1の対決シーンを撮影した。代役はほぼ使わなかったという。抜群の運動神経で今まで特別な事故はなかったが、むしろ手加減をしないキム・レウォンを制作陣が心配をするほどだった。

 この日の午後には30度が超える猛暑の中、ギブスをはめたままアスファルトの上を走るシーンを撮った。それから一晩中、殴られるシーンを撮り続けた。キム・レウォンは何度もNGを出してユン・テヨンに一方的に殴られなければならなかった。

 特に靴でキム・レウォンの顔を踏み付けるシーンを演じながらユン・テヨンは終始、申し訳なさそうにしていた。監督の「もうちょっと!」という注文に仕方なく更に力を入れるしかなかった。

 しかし、キム・レウォンは殴られようが何をされようと動じなかった。モニターを熱心にチェックしながら「息がもっと荒いほうがいいのでは?」「もう少し強く殴られてこそリアルだと思う」といった会話を監督と交わした。


 「撮影をしながら“星”を見たのは一回や二回じゃない。今まで演じてきた作品とはキャラクターがまったく違うため、撮影が進めば進むほど面白かった。 撮影現場にまるで遊びに来るような気持ち」というキム・レウォンは「撮影を進めながら、自分もク・ドンヒョクと一緒に成長する気分だ。俳優としてより成熟したようだ」と話した。

 一方、「『青春』をはじめ、キム・レウォンさんの出演した作品はすべて見た」というチェ監督は「自然な演技が本当に素晴らしい」と絶賛の言葉を惜しまなかった。

 生粋のチンピラ「ク・ドンヒョク」が暴力団組職によって強力班(凶悪犯罪を取り扱う班)の刑事にさせられ、警察に偽装潜入して起る物語を描いた『ミスターソクラテス』は、現在約40%の撮影が終了した状態。キム・レウォンの他に、 カン・シニル、イ・ジョンヒョク、ユン・テヨンら演技派俳優が大挙出演する。公開は今秋の予定。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース