ドラマ『サムスン』ブームを支える陰の立役者キム・サヒョン氏

 「キム・サムスンですか?これほどキャラクターにリアリティーのあるストーリーに出会うことは稀です。初めて接した時から大ヒットを予感しました」

 視聴率50%目前の大ヒットを記録しているMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』のキム・サヒョン責任プロデューサー。演出のキム・ユンチョルプロデューサー、キム・ドウ作家の陰に隠れて彼の名前はよく知られていない。しかし、ドラマの成功を支えた人物の一人として彼を欠かすことは出来ない。

 昨年秋、彼の頭には数種類のアイデアが浮んでいた。『新入社員』と『私の名前はキム・サムスン』だ。彼は直接インターネットで小説を探して『私の名前はキム・サムスン』の原作を見付けた。つまりはアイテム発掘の功労者なのだ。

 『屋根部屋のネコ』『この世の果てまで』『七つのスプーン』などの人気ドラマを演出したプロデューサー時代の感覚が企画段階から発揮された。

 キム責任プロデューサーは「最近のドラマを見ていると今までの三角関係から脱しているのが分かる。三角関係から養子関係へとメロドラマの構図が移っている」と語った。彼が手がけた『屋根部屋のネコ』や企画を担当した『アイルランド』のすべては、こうした試みを導入してみたかった作品。


 キム責任プロデューサーは「これは結局、もう少し現実的なストーリーと自分たちの話を求める視聴者たちの欲求が反映された結果」としながら、「視聴者の変化する欲求とトレンドを読み取ることが企画」と語った。

 そして「過去の視聴者はドラマがつまらなくても他に選択するものがなかったが、最近の視聴者は少しでも退屈になって現実性がなければ離れてしまう。企画、演出、作家、演技者の役割が更に細分化されて専門化されるだろう」と続けた。

 また、「インターネットでドラマ『私の名前はキム・サムソン』が話題になっているのを見れば、まるでインターネットゲームを見ているようだ。企画者はここでも新しい感覚に慣れなければならない」と語った。

 企画の重要性をこう強調するキム責任プロデューサーだが、いざドラマが制作されると企画者に実権はないようだ。ドラマの結末がどうなるかを聞くと「結末ですか?演出者も作家も今は企画者でも話しませんよ(笑)。それでも視聴者の期待は裏切らないでしょう」と語った。直接見て欲しいという意味だ。

 彼は自分が演出したドラマの中で最も愛着のある作品として貧しい孤児の話を扱った『7つのスプーン』を挙げた。

シン・ドンフン記者 dhshin@chosun.com
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース