ドラマ人気で製パン・音楽・出版業界などに「サムスン特需」

 サムスン旋風が猛威を振るっている。

 MBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』の人気と共に関連業界も恩恵を受けている。

 国内最大のオークションサイト「オークション」(www.auction.co.kr)によれば、『私の名前はキム・サムスン』の第13話が放送された今月13日以降、手作りクッキーやパンなどの売上げが急増しているという。

 第2四半期の平均月販売件数が550件だったのに比べ、先月の販売件数は650件に増え、特に13~14日にはそれぞれ約850、900件の販売実績を上げ、クッキーの売り上げが落ちる時期に異例の伸びを見せた。

 こうした中、特定製品に対する人気も注目を集めている。

 オークションで売られている菓子類のうちの60%以上がドラマに登場した「マドレーヌ」というクッキーが占めている。また、キム・サムスンが製パン技術を学んだ場所として登場するフランス「Le Cordon Bleu」の製品を販売しているエギョン百貨店も嬉しい悲鳴を上げている。同百貨店の「サムスンケーキ」(山イチゴのムースケーキ)とマドレーヌクッキーの売上げはドラマ放映前に比べ約2倍以上増えたという。

 製菓、製パン器具の売上げも大幅に伸びた。

 キッチン家電メーカーのエレクトロラックスは『私の名前はキム・サムスン』の放映以降、キッチン家電、特にコンパクトオーブンの販売量が増えたとし、インターネット・ショッピングモールのアイセーブゾーン(www.isavezone.com)は先月、20日間にわたって「サムスンマーケティング」を展開した結果、オーブン、製パン機などの売上げが通常に比べ2倍以上も増加した。特に一か月に1台も売れなかった製パン機は、先月だけで13台も売れた。

 『私の名前はキム・サムスン』の主題歌『She is』を歌う3人組のプロジェクトグループ「CLAZZIQUAI」も突然の人気にスケジュールの変更を余儀なくされている。当初、来月に2ndアルバムをリリースする予定だった「CLAZZIQUAI」は、最近『She is』が多くの音楽チャートで上位に入ると、出演のオファーが相次いで頭を悩ませている。

 これだけではない。『私の名前はキム・サムスン』の人気は出版界でも旋風を巻き起こしている。劇中サムスンが最も好きな本で、ジノンの甥にも聞かせるシーンに登場した小説『モモ』は、韓国出版人会議が選定した7月第2週のベストセラー1位に輝いた。74年にドイツの作家ミヒャエル・エンデが発表したこの本は、発刊から30年目にして韓国で注目を浴びている。

 また、『私の名前はキム・サムスン』はMBCスポーツニュースの視聴率上昇にも大きく寄与している。視聴率調査機関「TNSメディアコリア」の調査結果、『私の名前はキム・サムスン』が放映される水・木曜日のスポーツニュースの視聴率が他の日より4.9%高いことが分かっている。

 不振に陥っていたMBCには「ドラマ王国」再建の可能性を与え、製パン関連業従事者や出版業界には特需を、新人アーティストには名声を与えるなど「サムスン」は各方面に多くの恩恵を与えている。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース