1970年代のファッションをモチーフにしたSBSドラマ『ファッション70s』は、個性溢れる男女四人のファッションを比較しても楽しい。
5日の放送分からチャン・ボンシル(イ・ヘヨン)がドミ(イ・ヨウォン)とジュニ(キム・ミンジョン)を揃って弟子として受け入れ、二人の本格的なデザイン対決が展開され、ドラマの中のファッションに対する関心が高まっている。ここにドミとドンヨン(チュ・ジンモ)の切ない行き違いやジュニとビン(チョン・ジョンミョン)の片思いの構図まで加わり、視聴率(5日放送分24.9%)も上昇し始めた。
ドラマに登場するファッションチェックの核心は、男女4人のスタイルが最近流行のファッショントレンドをそのまま反映しているところ。2005年のファッション界に吹くリバイバルスタイルが70年代のものと一致するからだ。企画段階から衣装を担当するデザイナーのチ・チュニさんは「さまざまなリバイバルの流れの中で登場人物に似合うスタイルを選んだ後、現在の感覚にも合うモダンな要素を加えた」と説明した。
▲ボヘミアンヒッピー(イ・ヨウォン)VSロマンチックウーマン(キム・ミンジョン)
イ・ヨウォンとキム・ミンジョンは70年代に流行った婦人服スタイルの中で両極にある二つのスタイルを選び、キャラクターの明らかな違いを強調した。デザイナーとして天性の素質を持ったドミ役のイ・ヨウォン。自由がキーワードだ。独創的で個性ある雰囲気を多様な素材と形態の服を重ね着するレイヤードスタイルと足首まであるヒッピースカートでコーディネートした。
「劇中ドミは服装学院で残った布で素晴らしい作品を作り出す才能を見せます。 自然な感じと個性、二人を表現するのにはボヘミアンスタイルがぴったりでした」
イ・ヨウォンのスタイリスト、チャン・ジュニさんの話しだ。イ・ヨウォンの着る服は主にSTEFANEL、SISLEY、Tankusの製品。
ドミが「天才型」なら金持ちの娘ジュニ(キム・ミンジョン)は「努力型」だ。秀でた感覚よりは誠実さが武器という意味だ。果敢なスタイルよりは物静かで気品溢れるクラシカルなスタイルを披露する。パフ袖のワンピースやフリルの飾りがあるブラウスなど、女性美を十分に活かした衣装を主に着ている。色相もモノトーンといった色を使って知的な雰囲気を強調した。
キム・ミンジョンの衣装の約80%はデザイナー、チョ・ソンギョンさんが直接製作したもの。キム・ミンジョンのスタイリストを務めるコ・ミンジョンさんは「節制された感じを強調するためにアクセサリーは最大限控え、代わりに大きなヘアバンドとつばの広い帽子でポイントを与えた」と説明した。
▲スマートなダンディーボーイ(チュ・ジンモ)VSタフな反抗児(チョン・ジョンミョン)
二人の男性主人公も70年代の男性ファッションの極端なスタイルを見せてくれる。大統領補佐官でいい加減なことはまったくしなさそうな優等生スタイルのドンヨン。働く時は誰よりも冷たいが愛する女性には限りなくソフトな男性になる。二つの顔を表現するために70年代の代表的な男性服スタイルであるコンチネンタルルック(体に密着したシルエットが特徴)を着させ、サスペンダーやベストを適度に活用した。
チュ・ジンモのスタイリスト、アン・ミギョグさんは「堅いイメージにならないようにネクタイをしない代わりにカラーの幅が広いシャツを着せ、スーツのズボンも裾の広いワイドパンツを着せている」と言う。衣装のアドバイスはデザイナーのソン・ジオさんとチョン・ウクチュンさんが担当している。
チュ・ジンモの衣装が優等生の典型である一方でチョン・ジョンミョンのファッションは70年代の典型的な流行スタイルだ。実はドラマの中の隠れたファッションリーダーはビン(チョン・ジョンミョン)なのだ。韓国で最高と呼ばれるデザイナー、チャン・ボンシルの私生児として生まれ、母親のことを母親と呼ばずに「女史」と呼ぶ反抗児。しかし、ファッション感覚だけは母親からそのまま受け継いだ。
派手な花柄のシャツ、タイトなパンタロンのズボン、女性でもはきこなしの難しいクロップドパンツ(七部丈パンツ)、大きなバックルのベルト…。衣装アイテムの一つ一つが目を見張る。チョン・ジョンミョンのスタイリスト、キム・ジョンヒョンさんは「ビンのキャラクターについて、デザイナーのチャン・グァンヒョさんと考え抜いた挙句、70年代に流行ったパンクルックを着せることになった。シルエットが現われるシャツを着させ、ボタンを外してジェームス・ディーンの遊び人的な感じも表現した」と語った。