新作映画『天軍』でアクションに挑んだ俳優キム・スンウ 

 5分以内に頭を縦に振らせ、10分以内に腹を抱えさせる。そして、インタビューが終わる頃には相手を味方にしてしまう。

 「毎朝、そろそろ慣れようと心に誓いながら窓を開けます。何が一番先に目に入ってくると思いますか?」

中国奥地の青い空、子ども達の屈託のない笑顔などを想像したが、「ハエが群れを成して朝のあいさつをする」と裏をかく。

2か月間の奥地での苦労を話してくれたが、息をする暇さえ与えない。あまりにも可笑しくて涙が出るほどだ。

 ある俳優は制作陣の配慮でホテルのスイートルームを使ったが、トイレが完全に手動式だったという。用を済ましてから、直接手桶から水を流さなければならなかった。ホテル側に修理を要求したが、撮影が終わるまで結局そのままだったという。

「まあ、その位は何でもありません。苦労もしない俳優がどこにいますか?キャラクターさえ良ければ、どんなことでも耐えられるものです。それで観客から褒められれば苦労も勲章になります」

 生まれつきのユーモア感覚とウィット感覚、相手への配慮で話に花を添える俳優の金勝友(キム・スンウ)。

15日に公開される映画『天軍』(ミン・ジュンギ監督、サイダスピクチャーズ制作)に出演するのだから、科学者や将校役を演じると思った。

 ところが南北の兵士が朝鮮時代にタイムスリップして李舜臣(イ・スンシン)将軍(朴重勲(パク・チュンフン)扮す)と出会うというこの映画で金勝友は人民軍少佐のカン・マンギル役を演じるという。愛国心に徹底した北朝鮮のエリート将校だ。

 「北朝鮮軍に対する偏見を覆してみようという試みだったそうです」

 北朝鮮の方言を使うのはもちろん、アクションは最も難しかった。
 役の特性上、素早く節度のあるアクションを見せなくてはならないため、金勝友は昨年の夏にアクションスクールで多くの汗を流し、撮影中にもトレーニングをやめなかった。

 「数百人を相手にするアクションなので、危険に対するプレッシャーが大きかったです。それでもすべて代役を使わずに直接演じました」

 これまでソフトな男性の代名詞として支持されてきた金勝友の新しい姿がスクリーンで披露される。タフで男性的なカリスマ溢れるキャラクターを期待してほしいということだ。

 「スケールが大きく、作品のコンセプトも奇抜です。皆さんにこの夏一番の映画として強力にプッシュしたいです」

 金勝友の電子メールのIDは「パク・チャニ」だ。70年代のフライ級ボクサーのパク・チャニは、タイトル防衛戦の度に太極旗が刻まれたヘアバンドをしてリングに上がって全国民を熱狂させた。

 そして昨年の冬からはギターにすっかり夢中になっている。アルバムの中のスターを思い出してギターを学び、日常を余裕と浪漫で満たす金勝友。ファンに長く愛される彼の次回作はドラマ『我が人生のスペシャル』だ。

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