典型的ホラーを脱した異色の恐怖『女子高怪談4-声』

 過去の『女子高怪談』シリーズを観慣れた観客なら、15日に公開される映画『女子高怪談4-声』(チェ・イックァン監督、シネ2000制作)が異質に感じるかもしれない。

 『女子高怪談4』は突如にして登場する幽霊や神経を逆なでる機械音で人を驚かす典型的なホラー映画というよりは、多層的なストーリーの構造を通じて過度な執着によって生まれる悲劇を具現することに焦点を合わせている。

 『女子高怪談4』の一味違う点は基本設定からして表れている。よくホラー映画に登場する超自然的な存在は人間を苦しめて対立関係になるが、『女子高怪談4』では人間と同じ側になり、また他の超自然的な存在と対抗する構図へと展開する。

 声楽の素質のある女子高生ヨンオン(キム・オクビン)は夜遅くまで練習していたが、正体不明の存在によって惨殺される。あの世に行ってしまったヨンオンの声は親友のソンミン(ソ・ジエ)にだけ聞こえるようになり、二人は協力して学校に隠れているまた別の存在を探し始める。二人が秘密の実体に接近するほど、ソンミンと霊の声を聞くことが出来るチョア(チャ・エリョン)に奇妙なことが続き、命の危機を感じるようになる。

 『女子高怪談4』は骨太のストーリーを土台にした象徴的な構図で新しいスタイルの恐怖と悲しみを伝える。  

 映画の主な媒介である声は存在感を象徴し、人々の記憶から遠ざかるほど存在が薄らぐという悲劇的な状況を魂の声が徐々に無くなることで具体化しながらカタルシスを感じさせる。


 『女子高怪談4』で銀幕デビューするキム・オクビン、ソ・ジエ、チャ・エリョンの3人の演技力は辛うじて合格点を与えられる。

 しかし『女子高怪談4』の実験的な試みは、諸刃の剣に違いない。

 新しいスタイルを渇望する観客からは歓迎を受けるが、ジャンルのアイデンティティさえ崩れかねないホラー映画として、それほど恐ろしくないという事実はストーリー性に優れているからと言っても致命的な弱点に違いはない。

 映画終盤の内容もドラマの構図をオーバーに飛躍させるという印象を拭い去ることは出来ず、霊魂にあってはいけない影が床に映っているなど、大雑把なディテール処理も非常に惜しまれる。

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