新作『親切なグムジャさん』公開控えた朴贊郁監督 「こんな負担初めて」

 堂々とした態度のあまり「傲慢だ」と誤解されるほど、いつも確信に満ちていたこの韓国映画の風雲児は、「『正直に言えばやや加熱気味』という印象を受けるほど」とし、『オールドボーイ』以降相次ぐ映画界内外の期待に対する負担を表現した。

-才能ある監督の映画も賛否が分かれるのが当然なのに、パク・チャンウク監督をインターネットの書き込みで批判でもしようものなら“埋葬”される雰囲気だ。すごい期待だが。

 「普通の時の私ならば『カネで買うことのできないマーケティング効果だから嬉しいことです』と答えたと思うが、正直、そんな期待を負担に感じるのは初めてだ。それにインターネットはあまり見ない。前作『復讐するは我にあり』の時、失望したネチズンに「監督を刺し殺しに行く」と書かれた後から特にそうなった」

-全スタッフに「外部で内容に関する話は一切禁止」令が出たようだ。2分の予告編以外は何も知られていないが。

 「どんな映画でも、これから私がもしロマンスを撮るとしても、予めシナリオを公開したいとは思わない。そしてこの場所を借りて初めて話せば、『オールドボーイ』で見せたようなどんでん返しはこの映画にはない。李英愛(イ・ヨンエ)が復讐をするために腹を切り、内臓を取り出すという噂も流れているようだが、とんでもないこと。間違った期待を抱かないようにしたい。マーケティングもこれから“どんでん返しはない”がコンセプトだと話した」

-弱々しいイメージが気に入って李英愛をキャスティングしたと聞いたが。

 「ヨンエさんの演技人生で最も強靭に見えたイメージは『宮廷女官チャングムの誓い』でのチャングムだった。断言するが『親切なクムジャさん』は彼女が一番かわいそうで弱々しく見える映画になるだろう。映画が終った時、ヨンエさんに対するイメージは“かわいそう”が支配的だろう」



-監督の復讐3部作の完結編だ。『復讐するは我にあり』が冷たく、『オールドボーイ』が熱いと表現するならば、今回の作品は?

 「涼しいはどうかな(すぐに否定し)誤解を生むといけない。映画は予想できない邪魔のために3分の2が過ぎた頃から大きく方向を変える。涼しく始まって暖かく終るという表現が当たっているだろう。極端的な冷たさや熱さはない」

-復讐3部作を見ていると、小市民の復讐を映画の中で代行しているのではないかという印象も受ける。個人的にはどう思うか。復讐したい具体的な個人または社会的状況は?

 「今は違うが、『共同警備区域(JSA)』直前に計略にかかったことがある。個人的に好きだった先輩だったが、私の映画のアイディアが自分から盗んだものだと言い出した。そのうち色々な話を付け足して映画界の人々に嘘をついて回った。殺意まで感じた。そのほかは…どうかな。今は自分がたくさんのものを得ている状況なので、特にない」(政治的状況や社会的状況に対しては発言を控えた)

-このような見解もある。監督パク・チャンウクに対する本当の評価は『親切なクムジャさん』が基準になるべきだと。『共同警備区域JSA』はミョンフィルムの“大衆的編集”に助けられ、『オールドボーイ』は日本のマンガが原作だったから。

 「(すぐに)その人たちは私が『親切なクムジャさん』で再びヒットしても、『宮廷女官チャングムの誓い』の李英愛のお陰だと言うだろう。(呼吸を整え)もちろん『共同警備区域JSA』はミョンフィルムの立派な制作スタッフの助けを借りたし、『オールドボーイ』は原作に魅力があるのは事実だ」



-現在の韓国映画は「パク・チャンウク流監督」があまりにも多いのが問題だという指摘がある。作家としての個性と映画のヒットという二兎を追う監督が多過ぎると思われるが。

 「監督はもともとそんな存在だ。しかし大金をかける商業映画で皆がそのようであれば問題だ。だから制作会社とプロデューサーが監督をけん制しなければならない。今回の映画は純制作費が40億ウォンより少し多くかかった。だから後悔している。その数字以内に収めたかったのに」

-ここ2~3年間、映画館を除いた映画の各部門が損失を被っている。このような状況で制作会社とマネージメント会社、スターたちの衝突が先鋭化した。解決方法は何だと思うか。

 「正直、難しい問題だ。こんな風に整理してみた。無理な要求をしてくるスターやマネージメント会社の主張を制作会社が受け入れない方法が望ましい。もちろん簡単ではない。しかし協会が決議したからといって解決することでもないだろう」

-次期作には人民革命党事件かドラキュラの話のうちのひとつになると聞いているが。

 「人民革命党事件は保留した。『あの時、あの人々』事件がその理由だ。刑務所に行けと言われれば行くが、映画をカットしたまま公開するとは話にもならない。作ってしまえば自分だけの映画ではないため、拒否することも難しい。まずCJがスポンサーになるHD映画をひとつ作る。自分がサイボーグだと信じている少女の精神病院での話だ。仮題は『サイボーグだけどいいの』。この後に吸血鬼の話に取り組むだろう」

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