最近の人気ドラマには傲慢で無礼な男ばかり登場する。現在大ヒット中のドラマ『私の名前はキム・サムスン』の主人公ジノン(ヒョンビン)は「礼儀」とは程遠いたキャラクターだ。
レストランの社長ではあるが、自分より3歳年上のサムスン(キム・ソナ)には常に「タメ口」だ。自分からサムスンに提案した「契約カップル」も勝手に破棄した。
安定した人気を誇る『頑張れクムスン』のジェヒ(カン・ジファン)も傲慢さでは右に出る者はいない。優秀な医者でいながらもクムスンや周囲の人の前でも傲慢にするのが普通だ。クムスンの過去が分かった時は胸に突き刺さるような言葉も躊躇しなかった。
『オンリーユー』でウンジェ(ハン・チェヨン)とケンカをする冷酷な財閥の御曹子イジュン(チョ・ヒョンジェ)も気難しい潔癖症の王子様スタイルだ。
ところがこうした一癖ある男性たちに女性が魅せられている。挙句の果てには『サムスン』と『クムスン』に登場する二人の男性主人公を合成したポスターパロディーまで登場して人気を集めているほどだ。
こうした傲慢なキャラクターに惹かれる理由は何であろうか?文化評論家のキム・ジョンフィ氏は「女性の地位変化」を要因として挙げる。
同氏は「昔の女性は自分の不足した部分を男性によって補おうとする傾向があり、正直で心の広い男性などに惹かれたが、最近では経済力のある女性たちは自ら自分の問題を解決することが出来るため、多少は分別がなくても保護本能をくすぐるスタイルを好むようだ」と分析した。
実際にサムスンはパティシェ、クムスンは美容師、ウンジェは女シェフと3人とも皆、自らの経済的な問題は解決することが出来る職業を持つ女性たちだ。