栄養満点!夏バテ防止に韓国の薬膳料理「参鶏湯」

 「スープは淡白だが、ニワトリは箸でも肉が解れるほど軟らかく、高麗人参の強烈な香りも漂う、単純な食べ物ではなく、生命を口の中に入れるような感じを与える」(村上龍著書から)

 日本の小説家・村上龍がその充満した生命力を絶賛した韓国の代表的な夏のスタミナ食、参鶏湯(サムゲタン)だ。

 参鶏湯の本来の名前は鶏参湯だった。鶏参湯が参鶏湯に変わったのは数十年前に高麗人参が大衆化してから。また、外国人にも高麗人参の価値が認められるようになり、人参の「参」の字を頭に持ってくるようになったと言われている。

 若鶏は「若い女性」を表す俗語としてよく使われるが、有名参鶏湯店では雌鶏ではなく雄鶏を使う。それも一般に販売されている肉ではなく、卵の生産に使われる産鶏を使う。49日間育てた産卵用の雄鶏を使うソウル市内の西小門(ソソムン)にある「高麗参鶏湯」の社長は「産鶏は肉鶏より成長が遅く価格も高いが、肉質が硬く長く煮込んでも弾力性が落ちない」と説明する。また「肉鶏は肉がパサパサしているだけでなく、3~4時間煮込むと肉が溶けてしまい味が落ちる」と付け加えた。

 韓方で鶏は熱い食べ物に属し、体を温める効果があるとされる。ここに高麗人参を加えて「陽気」をさらに高めた。また、鶏肉は消化に優れたタンパク質を含み、解毒作用を持つニンニクを加え、消化機能が低下しがちな夏に相応しい食材でもある。参鶏湯に入るもう一つの代表的な韓方薬であるオウギは汗の分泌を調節する効果がある。

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