韓国映画界に海外ロケブーム…チャン・ドンゴン主演『台風』など


 韓国映画界に海外ロケブームが起こっている。

 昨年、日本で撮影された『力道山』(ソン・ヘソン監督、サイダス制作)とニュージーランドで撮影された『南極日記』(イム・ピルソン監督、サイダス制作)が相次いで公開されたのに続き、中国で撮影された『天軍』、日本、中国、米国で撮影された『青燕』がそれぞれ7月と年末の公開を目標に後半の作業に差し掛かっている。

 昨年末からタイとロシアで撮影を行った張東健(チャン・ドンゴン)、李政宰(イ・ジョンジェ)、李美妍(イ・ミヨン)主演の映画『台風』(クァク・キョンテク監督、ジニサフィルム制作)も撮影の終盤に差し掛かっている。

 一人の女性を同時に愛した殺し屋と刑事の対決、運命的な愛を描く全智賢(チョン・ジヒョン)、鄭雨盛(チョン・ウソン)主演の映画『Daisy』(ユ・ウィガン監督、アイフィルム制作)は先月中旬、オランダのアムステルダムでクランクインした。

 また、地方の中年独身男性の結婚奮闘記を描くユ・ジュンサン、チョン・ジェヨン、スエ主演の『私の結婚遠征記』(ファン・ビョングク監督、チューブピクチャーズ制作)は先月末、ウズベキスタンに入り、2か月の現地ロケを行っている。

 若い3人の男女の愛と情熱、傷を描くペ・ジョンオク、パク・チニ主演の『ラブトーク』(イ・ユンギ監督、LJフィルム制作)とインターネットのポルノ放送を背景に展開される二人の男女の愛を描いたパク・サンウク、アン・ギュリョン主演の『ラブハウス』(キム・パンス監督、LJ フィルム制作)も今月中に相次いで米ロサンゼルスを拠点に撮影を行う予定だ。


 韓国映画の海外ロケは数年前には年間に2~3本に過ぎなかったが、昨年ごろから急激に増え、今年は10本に達する見込みだ。また、例年は単純に映画の一部シーンのみを海外で撮影するケースが一般的だったが、『Daisy』の場合は100%現地ロケだ。『ラブトーク』と『ラブハウス』も空港シーンなどの極一部は除き、ほとんどが米国で撮影される。

 中でも『Daisy』は監督も外国人だ。『インファナル・アフェア』シリーズで知られる香港のアンドリュー・ラウ監督がハリウッドのラブコールを蹴ってメガホンを取った。撮影スタッフも香港とオランダから大挙参加している。

 しかし、こうした韓国映画の海外ロケに対して一部からは問題点が指摘されているのも事実。

 ヨン様ことペ・ヨンジュン主演の映画『外出』(四月の雪、許秦豪(ホ・ジノ)監督、ブルーストーム制作)の主なロケ地である江原道(カンウォンド)・三陟(サムチョク)に日本のファンが殺到し、年間に多大な観光誘発効果を収めることが予想され、ロケ地という観光資原を外国に渡してしまうという指摘だ。

 また、スタッフはもちろん、一部の俳優や助演、エキストラを現地で調逹することで韓国での雇用が減り、空洞化現象をもたらす可能性があるという主張だ。

 しかし、韓国映画の積極的な世界市場攻略のためには不可欠という声が多い。

 アイフィルムのジョン・フンタク代表は「これからは『メード・イン・コリア』だけに固執するのではなく、韓国が主導する『メード・バイ・コリア』を土台に世界を舞台に制作する『メード・イン・ワールド』戦略が必要な時」と強調した。

 『Daisy』の企画意図も韓国映画の世界進出を通じる文化コンテンツの輸出を拡大し、更には韓国文化の位置を高めるというのがジョン代表の話だ。

 こうして海外ロケがブームになると、これを後方支援する旅行会社も特需に期待する。グローバルトラベルネットワークを志向する旅行会社ツアードットコムのキム・スングン理事は「海外ロケで最も重要なのは、現地の事情に詳しくなければならず、同時に観光庁といった政府レベルの支援を得ること」としながら、「こうした場合、大幅な制作費の節減と共に制作日程の狂いも予防することが出来る」と強調した。

『スポーツ朝鮮/キム・ホヨン記者 allstar@sportschosun.com 』

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