「この子、本当に可愛い」
10日に公開される映画『恋愛の目的』(ハン・ジェリム監督、サイダスピクチャーズ制作)を観た女性観客はすべてパク・ヘイルに魅力に吸い込まれる。
「いや、私が何をどうしたからってそうなんですか?ただ一緒に寝ようとしか言わなかったじゃないですか」「こんなことを言っていいか分かりませんが、一緒に寝ましょう」といった言葉を平気で言ってみせても決して憎くはない。
役柄は教育実習生のホン(カン・ヘジョン)と一晩を共にするのが人生の目標であるような教師のユリム(パク・ヘイル)。あの手この手で女性を誘うパク・ヘイルが口を開く度に客席からは爆笑が起こる。
『殺人の追憶』などの映画で既にスポットライトを浴びてきたパク・ヘイルは、自他共に認める忠武路(チュンムロ、韓国映画の中心地)の演技派俳優。リュ・スンボム、趙承祐(チョ・スンウ)と共に「新ビッグ3」と呼ばれる俳優に相応しく、今回の映画でも的確に緩急を調節する演技を見せた。完全に開き直り、のうのうとした姿が本当に自然だ。前作『嫉妬は我が力』で見せた肩の力を抜いた演技とはまた違った魅力に溢れている。
「共演のヘジョンさんと息がぴったり合いました。シナリオを初めに見た時、感じも良かったですし、恋愛の過程をそのまま表現する台詞が本当に面白いです」
そして20代や30代のみならず40代も楽しめると自慢をする。誰もが持つ特別な恋愛の記憶を思い出させる愉快な映画という説明だ。
パク・ヘイルが選ぶベストシーンは紆余曲折を経験した二人の男女が雪道を歩くシーン。
「恋愛がそうじゃないでしょうか。互いに試行錯誤して熾烈でも子供のような感情が行き交う過程です。まるで戦争を終えて一呼吸するようなシーンなので気に入っています」
結局『恋愛の目的』は良く出来た「恋愛のすすめ的」映画だが、パク・ヘイルは監督の演出意図を十分に活かし出している。何故ならスクリーンの中の彼の姿がとても魅力的で、エンディングのクレジットが流れる瞬間、独身女性であれば誰もが恋愛をしたいという気分にさせられるからだ。
ここまでになるまで、シナリオにアンダーラインを引いて熱心に研究する時間があったわけだが、意外と余裕に溢れている。
「設定をして演技をすることはしません。演じながらつまづけば監督と一緒に問題を解決すれば良いからです」
それならカメラのない所ではどうなのか。常にリラックスの姿勢だ。ネットショッピングで最近50万ウォンもする顕微鏡を買った。テレビにも接続可能なこの最新式の顕微鏡で毛穴を観察するのが趣味だという。また、半身浴をする道具も購入した。他人が命をかける事には徹底的して無関心な時も多い。ブランドなどには一切こだわらない。
「家では丸くなっていますが、撮影現場ではもちろん堂々と胸を張っています」
こうしてエネルギーを蓄えているからこそスクリーンで爆発し、カリスマに溢れた演技を見せることが出来るようだ。パク・ヘイルは現在、『怪物』『少年、天国へ行く』の撮影中で、昨年、大学路(テハンノ)に知人10人と一緒にオープンした劇団ドヌムの創作劇を9月に上演するなど、今まで以上に充実した一年を過ごしている。
『スポーツ朝鮮/チョン・サンヒ記者 nowater@sportschosun.com 』